キヒヒ!!!!

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ツナちゃんにー、ザンちゃんにー、ビャクちゃんにー、ユニちゃん。
…うん、コンプしちゃったよ。

ついでに骸とバミューダのハートも一応キャッチしてるから現時点各勢力ボスのハートもコンプリートしちゃったよ。
なんだこれクッソワロ。これは炎真くんのハートもキャッチするしか

じゃなくて。

「黎明〜!おーいダボハゼ〜!」
「気に入っちゃったのそのあだ名?!」


話聞こう話。


「ああ…そうだったね。話すよ。
 ……あれ、薄暮は?」
「私の中に寄生してるけど」
「えっ、あ、そう……まあ、とりあえず少しキャンプから離れようか」
「うぃッス」


ツナたちにひと声かけてから、
キャンプの視界には入るけど話し声は届かない距離までやってきた。
腰掛けられそうな岩が一つあったので
「黎明座りなよ」
「えっ、いや黄昏ちゃんが座っていいよ」
「男の子。いつも譲る側、お疲れ様」
「……ありがとう」
促せば黎明は一度遠慮するだけで簡単に座った。
女の子だもんね。

「さて、何から話せばいいかな…うーんと」
「薄暮はいつまで守っていればいい?
 未来に戻るまで?それとも現代に連れ帰る?」
「それは、わからない」
「なら仕方ないな。
 ちなみに守るって、具体的にはどういう事?ていうか何ポジなの?」
「……うん。
 その、薄暮。薄暮は、感付いているだろうけど俺たちと同じだ。記憶があるかはわからないけど…」
「あ、やっぱり」
「あのね。ホントは手違いなんだって」
「うん?」
「予定では、
 俺がリング戦で対峙する相手は薄暮で、つまり彼女の予定だったんだって。
 そして、この時代、未来で白蘭側の薄明として対峙するのが、黄昏ちゃんだった」
「なんそれうける」
「フフ、そうだよね。
 黄昏ちゃんの目覚めは10年も早かった。未来編が始まる数週間前くらいに目覚める手はずだったんだけどね」
「へーえ」
「それに焦って、『存在』は薄暮を未来に飛ばして、ついでに白蘭の元に落とした。
 そしてリング戦で生き残った薄明のどちらかと対峙する存在となるはずだった」
「ええ…むりだよ…まけるよぉ…」
「フフ。でもね。俺は結局黄昏ちゃんを連れて帰ってきた。
 本来一人になるはずが、二人のまま」
「そうね」
「なんか、この世界には、現実から来た2人が対として存在してほしいんだって」
「ふうん?」
「『存在』は、君に条件をつけて、どうせ10年ももたないだろうと高をくくっていた」
「10年経過しても私居るみたいですけれども」
「そう。だから、この世界でいちばん、実質経過日数の少ない薄暮を返還することにしたってわけなんだ
 そしてその準備が終わるまで、元々は黄昏ちゃんがへばり付いたせいで発生した作業だからって、黄昏ちゃんが薄暮をこの世界で死なさないようにしろって…そう言う感じ」
「ほーん」
「一緒に修羅開匣の研究施設まで潜って、連れ出して。
 そう言えば君が目覚めさせた薄暮の炎も、バグみたいなものなんだって」
「そうなの?」
「彼女には、大空が宿るはずだったんだよ。
 でも君の傍で君の影響を受け君が彼女の覚悟になった。本来出会う筈の無い君に全てが向けられた
 理屈はわからないけど、つまり黄昏ちゃんが居なければ薄暮も異常な炎を生まなかったってこと。
 それなら戦えるでしょ?」
「そうね」
「……空返事ばっかだけどちゃんと聞いてる?」
「聞いてる聞いてる
 なるほどね、なんか悪いな
 ところで、私が代わりにならなきゃってのは何だったの」
「ああ、なんか、やっぱり君には制約が残ってて存続不安定だから。もし準備整うまでに薄暮が死んでいたら、黄昏ちゃんの命を使って薄暮はこの世界に蘇生、この世界での命を失った黄昏ちゃんは元の世界の命の元へ…つまり三次元に還ることになるって…そういうこと」
「なにそれぜったいいやだ」
「フフッ、言うと思った
 ……ねえ。薄暮は今、意識あるの?」
「ん?どうだろ
 魅々子ちゃーん、今の話聞こえてた?」

腹に向けて声をかけてみたところ、モゴ、と皮膚の下が蠢いた。
ややあって、みちっ、と。
私の片腕が裂けて、ズルルと蔦の塊が這い出てきた。
痛みはない。

「聞いてましたよぉ」

蔦の塊が人の形を形成していきながら、喉とおぼしき部位から声が鳴った。
いつもの、甘ったるい調子だった。

「その時はぁ、すぐそこだってことはぁ、魅ぃだけが知ってたことみたぃでしたけどぉ」

ん?
「え?」

今しがた裂きやがった私の腕の傷を、舐めるように撫でながら、魅々子が呟いた。
滴る血をその指先に塗り込むように。

やめろや。

とは言わずにそのピンク色の頭を撫でれば、瞳を閉じて、もたれるように頭を押し付けてくる。

「もうすぐ、爪先が届きそうなほどに、すぐ近く
 魅々子はぁ……鏡を割っていたんですよぉ」
「鏡?」
「最後の茶番だからこそぉ、久几様に気付いてほしかったなぁ。楽しみに待ってぃたのに。
 もう魅々の久几様とはさよならしちゃっていたなんて……魅ぃ、なにも言えなぃまま、ひどぃですょね」
「んん?」
「……この時代の黄昏ちゃんの事が大好きだったんだね
 一応…救出には俺も協力したはずなんだけどなー」

タハハと自分を指差す黎明にチラと視線を向けた魅々子は、ふんと短く息を吐いた。

「知ってますよぅ」
「あ、そうなの」
「でもぉ、魅々の面倒を見て…魅々を愛してくれたのは久几様ですしぃ」
「うーん…まあそうなんだけどね」
「なんですかぁ?借りを返してほしぃってぃぅなら考えなくもなぃですけどぉ、借りの大きい久几様がダメって言ぅならゃらなぃ!」
「察しがいいなあ」

せやな。
私が彼女と接したのは数時間だけど、
記憶している魅々子よりなんか察しいいな。

ネコでもかぶってたのかしら
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