キヒヒ!!!!

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全力で走ってきたら。まだおっぱじまってなかったんかい。

「白蘭 あなたと同じように
 私も他の世界へ翔べるようです」
「!!」
「!?」
「?
 ?」

「もっとも…時にはこの世界に戻り様子を見る必要もありました。
 その際は私の身体と、もう一つ――」


「っっつっかまえたぜバーロー!!」
「んがぁああああああ捕まッはっはーーー!!」

ズザザザザーーーッとお話し中のところ突撃しました。
背中から思い切り倒される形で取り押さえられてああーああーーこすれるこすれる発火する。

ユニはまるで私の来訪を予見していたように言葉を続けた。
おーい反応くれよー。


「――彼女の身体を拠り所として、この世界を見ていました。」

「え!?」
「あいつは…カルミアとかいう…」
「待て、しかし今の声は…」

ディーノが耳ざといし。

「なんだって?」

白蘭の威圧的な声が静かに広がった。おこなの?

「ユニちゃん……君の魂が、僕のカルミアの中に、居た?」
「もちろん常に、ではありません。ただ彼女には…そういう力があっただけ。
 もちろん、この時代の久几さんには許可を得たうえでの行動です。」

「え なにそれ。私知らん…こわ…」
「黙ってろ!バーロー」

私の背に馬乗りになったままのザクロたんにガンッと頭打ちつけられた。
あい。口挟むのやめます。

ボンゴレ側は、私の名前が出てきたことにざわついている。
「どうしてそこで火下咲が出てくるんだ?カルミアと関係あるのか」
「いや、カルミアの正体こそやはり」
だのと。

「……何言ってるの?ユニちゃん。
 カルミアと久几チャンは全くの無関係だ」
「あなたこそ、何故隠しているのですか?
 久几さんに偽りの名と仮面を与えて、何の意味があるというのですか?」

ひときわ、ざわめきだった。
私に視線がビシバシ来る。
あーやめてみないでー。ザクロに馬乗りされて首根っこ掴まれてる私を見ないでー。

「ああ?」

ザクロさんがガン飛ばしてくれてる。ありがとう…。

っていうかアウターに血が滲んでくるの嫌だからちょっと体浮かせて踏ん張ってんだけど疲れてきたよ。馬乗り止めてくれないかな。

現状に白欄が口の中で舌打ちをした。
鋭くなった私の耳にのみ、恐らくその音は届いた。

「カルミア。」
「はぁい?」
「なんで逃げたかは後で聞く。
 今すぐどっか行って。声の届かないところまで」
「はい」

私への指示を聞いたザクロが腰を上げてた。自由になった瞬間――ザクロが跨いでいた足をどけるより前に――私は地を蹴った。
這ってそこから抜け出し、減速しないまま走り出した。


「待ってください久几さん!あなたは大きな思い違いをしています!知るべきことがあるのです!」

「カルミアが欲しいからって、嘘を吹き込もうとしちゃだめじゃないか。ユニちゃん」

という言葉を背に走るスピードを上げた。
既に走り出した風圧で、ハッタリかどうかは聞き取れなかった。

どちらにせよ今は白蘭に従わなければ。
さっき勝手な行動したばかりだし、そうしないと危うい。
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