SKE48

□狂ってる
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嫉妬って、怖いよね。

「なんで、私だけ見てくれないの?」
「うぐっ、…がっ、」


すぐ、壊れちゃうから。


「ねぇ、珠理奈」
「うぇっ、……くっ、」


許さない。


その言葉と同時に、首元の手に、力がこもる。

「ぅぐっ、!?」

玲奈ちゃんの真っ白なか弱い手から、どこからそんな力が出てくるのか。

不思議で堪らない。

「っ、ま、でっ…」
「待ったら、なにかあるの?」

私の気管を閉ざしていく。

爪が食い込んで、目尻に涙がたまる。

それでも、彼女は可愛らしい。

「なんで、私だけじゃないの、」

彼女の瞳には、私しか写っていない。

それが、堪らなく、嬉しい。

可愛らしい。

「……ははっ、…」

口角を上げると、玲奈ちゃんは、眉間にしわを寄せて、ゆっくりと力を抜いていく。

手が離れて、鋭い視線だけが、私を苦しめる。

「……かわいいね…玲奈ちゃん、」

掠れた声で、そう言うと、玲奈ちゃんは真顔で言う。

「じゃあ私だけ見て。」

…いやはや、それは無理だな。

「…わかった、」
「嘘つき。」

乾いた笑いを浮かべて、玲奈ちゃんの頬に手を伸ばす。

「玲奈ちゃんの愛は、重いね、」
「そうだよ、重いよ。」

それだけ、愛されてるってことだよね?

私、嬉しいよ。

苦しくなんてないよ。

「…浮気しないで」

ちゅーしただけで、こんなになる、玲奈ちゃんが可愛すぎて。

私、止まんないや。

何度でも、浮気したくなる。

狂ってる、玲奈ちゃんが、見たい。

「わかった、」
「嘘つき。」


今日も、私達は、狂ってる。

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