NMB48
□風邪
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柊が、ななさんのこと、守ってあげますから。
そんなことを、昔言われた気がする。
｢…クソガキ｣
いや、マセガキかな。
｢なんですか、急に。看病しに来たっていうんに｣
｢別に、来いなんて言うてへんし…｣
意地っ張りやなぁ、なんて言いながら、柊は黙々と問題を解いていく。
｢自分の部屋でしぃや…｣
｢いやや、｣
｢たかが、隣の家…｣
｢たかがちゃいますよ。柊にとっては。｣
｢…｣
…あほ、そんなんうちもやわ。
｢…風邪、移んねんで｣
｢いいですよ。ななさんのなら｣
｢…あほ｣
｢ななさんに言われたないなぁ、｣
すらすらと、シャーペンを動かす。
その姿は、どうしても、似つかない。
｢…似合わへんなぁ、…｣
柊に、勉強の姿なんて、似合わない。
重くなったまぶたに逆らわずに、目を閉じると、すぐに深い眠りに落ちた。
――
｢…ん、…｣
目を覚まして、上を見上げると、柊の顔があった。
｢起きましたか、｣
｢…ん｣
割と結構、顔が近い距離だけど、特に何も思わへん。
起きた直後だから。
｢…なんであんたがここにおるん｣
いつの間にか、一緒に布団の中に寝ている、柊の頭を小突く。
｢やって、ななさん寝とるんやもん｣
頬を膨らませて、額同士を合わせられる。
｢…風邪、移る…｣
｢ええよ。｣
｢、あかん…｣
腕を伸ばして離しても、すぐに抱き寄せられる。
｢柊、｣
｢ななさん、あったかいなぁ｣
肩を抱かれて、耳元で囁かれる。
体が、なおさら熱くなってくる。
｢ちょ、しゅ…｣
あかん、ほんまに移る。
｢やめてやっ…｣
｢なんでや｣
｢だって、移る…｣
｢移してや｣
そんで、また、ななさんの笑った顔見せてや。
頬を、優しく撫でられて、唇を近づけられる。
…あかん、のに、
｢…あほ、…｣
｢お互いに、です｣
柊の唇が、触れてきて、私はそっと、目を閉じた。
…ほんま、風邪はあかんなぁ、
――
次の日
｢…柊！｣
｢お、ななさんや｣
｢風邪、引いとらん…？｣
｢うん、全く｣
けろっという柊。
…うん、
｢クソガキ｣
｢え、ちょ、なんでっ！？｣