□月が綺麗ですね
1ページ/5ページ



『うわーん、やっぱり無理!ダメ!絶対できない!』

今日は1週間後に控えた定期試験の勉強会。
アキラ先輩の、各自苦手な分野を持ち寄って分からないところはお互いに教え合おう、との提案により部室にて勉強中なのだが…

もうお手上げ。数字とにらめっこも限界…

机に突っ伏した私にタツキ先輩がマカロンを差し出してくれる。

『琳ちゃん、そんな事言わずにもうちょっと頑張ろ?ほら、甘いものでも食べて、ね☆』

『タツキ先輩っ!じゃあ、ここ!これ!教えてください!全く分からないんですけど!何が分からないのかも分からないんですけどっ!』

『えっと、これは……えーっと…』

『うん、もういいです。タツキ先輩に聞いた私が間違ってました。』

『えっ!?琳ちゃん酷い!!』

『だってこれ1年の問題ですよ?3年のタツキ先輩が分からないってありえます!?』

『ぼ、僕も数学苦手だから…そうだ!アキラくんは?琳ちゃんに教えてあげてよ〜』

タツキ先輩が逃げるようにアキラ先輩に話を振る。
アキラ先輩は私の問題集を覗き込んで一言。

『…わり、俺も何が分からないか分からないレベルだわ。』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ