進撃の巨人

□飲み会は大騒ぎ
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*現パロ
*ヒロイン嘔吐シーンあり

大丈夫という方はスクロールをお願いします↓


















「そういえば私、昨日ナイルさんに告白されてしまいました」


明日は仕事が休みという事で今日は私のアパートで飲み会。
夕方くらいから皆で鍋を食べ今は柿ピーをおつまみに缶ビールを飲んでる。
私の言葉にエルヴィンさんとミケさんとハンジさんは目を点にし、リヴァイさんは持っていた缶ビールをぐしゃっと握り潰した。


「チッ、あの薄らヒゲ…。おいナマエ、当然断ったんだろうな?」


何故か不機嫌な様子のリヴァイさんの小皿を見るとおつまみの柿ピーが綺麗になくなっていて、他の皆さんの小皿を見てもほぼ柿ピーは完食されていた。
次はチーズでも出そうかな…それかピザでもいいかも、ピザがいいな、やっぱりピザにしよう。

立ち上がり冷蔵庫を開けて市販のピザを出しオーブンに入れる。
あ、何分やるか見るの忘れたまま袋捨てちゃった…まぁ触ってみて必要な分だけ温め直そう。
ピザを温めている間私はまた皆さんの所へ戻り、ビールをぐびぐび飲み干す。


「断ったというより、その時は冗談だと思ってたのでナイルさんを傷付けないようここは笑ってあげなきゃと笑ったら“ま、まだ俺は諦めないからな!”と泣きながら走り去ってしまいました」

「ナイル……;」

「フン、いい年した男が情けねぇ」

「と、仏頂面で言いつつ嬉しいリヴァイでしたとさ♪」

「チッ!煩ぇぞクソメガネ」

「俺にはナイルがナマエに告白するのはいささか早急に過ぎると思えるが、万が一にも告白が実るような親しい仲でもないだろう」

「ミケ…お前も随分残酷だな」

「お前程ではないエルヴィン」

「まぁ一番残酷なのはある意味ナマエだけどね(笑)」

「そうか?ナイルの野郎が勝手にガキみてぇに泣き喚いてただけだろうが」

「………………ピザ」

「「「「!!?;」」」」


私がぼそっと低く呟くと仲良く喋っていた皆さんがビクリとする。
新しい缶ビールを開けぐびぐび飲みテーブルにガン!と置いて私はオーブンを睨みつけた。
まだピザは出来上がらんのか早くピザが食べたいのに。
ピザの出来上がりを知らせるオーブンのピピピという音を今か今かと待ちわびながら私は少し引き気味な感じでこっちを見てる皆さんを見回した。
多分今の私はヤクザばりに目が据わっていると思う。


「ピザはまだですか!!?」

「ナマエ…大分酔っているみたいだな…その辺りでビールはもうやめた方が…;」

「私からビールを取り上げるなんてよっぽど死に急ぎたいみたいですね!!あ、オーブンピピピきました」

「うぐ!?;」

「エルヴィン!;」


エルヴィンさんの首を締め上げていた所待ちわびていたオーブンピピピがきて私はエルヴィンさんをボトリと捨てる。
いそいそとピザを取り出すと所々まだ冷たくて私はしょんぼりしながらまたピザをオーブンに戻した。


「おいナマエ!てめぇ今指でピザ触りまくってただろう!?;」

「別に少しくらいいいじゃないですか、またオーブンピピピを待ちわびる事にします」

「そのまま戻ろうとすんじゃねぇ!ピザ触ったんならせめて手を洗え!;」


後ろからリヴァイさんに手を掴まれてまるで子供みたいに手を洗われる。
リヴァイさんの綺麗だけど男の人らしい大きな手に優しく手を洗われて気持ちいい。


「はぁ〜幼少の頃を思い出します、よくお母さんにこうして手を洗ってもらいました。リヴァイさんはお母さんみたいです」

「手がかかるのはガキの頃からって事か…おい待て、せめて父親にしろ」

「ん〜……ハッ!オーブンピピピがきました!オーブンピピピですリヴァイさん!」

「分かったから暴れんなクソが!;」


またピザを触るといけないのでリヴァイさんに先に戻ってろと言われ私は皆さんの所へ戻りミケさんの膝の上に座る。
私の行動にミケさんは勿論エルヴィンさんとハンジさんも目を点にし、ピザをお皿に乗せて戻ってきたリヴァイさんは何故か額にビキッと青筋を立てた。


「……待てリヴァイ、こいつは今酔っているという事を忘れるな」


ピザカッターをミケさんの首に当てるリヴァイさんにミケさんは冷や汗を流す。
目の前のテーブルに置かれたピザのあまりに美味しそうな輝きに、私はミケさんの膝の上に座りながら机をバンバン叩いた。


「リヴァイさんミケさんの首をカットしてる場合じゃないです!早くピザをカットしてください!」

「…ああ分かった。ナマエ、ピザを切り終わったらてめぇは俺の膝に座れ、いいな?」

「何でもいいですから早くピザをkごきゅごきゅごきゅ!!」

「ナマエ喋るか飲むかどっちかにして!つうかそれ私のビール!;」


ハンジさんの缶ビールを奪いごきゅごきゅ飲んでいる内に目の前のピザは綺麗にカットされていて、私は仏頂面で手招きしているリヴァイさんの膝に座りようやくピザを口へ運ぶ。
にょーんと伸びるチーズ、じゅわっと口に広がるソーセージの肉汁、もちもちとしていて時にカリッと私の心を震わす生地!!


「…っうんま〜い!デリシャストレビア〜ン!トレビアンデリシャ〜ス!」

「市販のピザでこれだけ喜べるこいつは幸せもんだなエルヴィン…」

「ああ…そうだなリヴァイ」


リヴァイさんの硬い胸板に後頭部をゴチンと打ち付けながらピザの美味しさに舌鼓しつつ皆さんのお皿にもピザを乗せてあげる。
私って気遣いの神。

何だか本格的に頭がグラグラしてきたけどピザの美味しさとビールの誘惑には負ける。


「皆さんもピザの美味しさを一緒に堪能しましょう!はい、リヴァイさんもどうぞ」

「…ああ」

「あ、そういえば私ピザに人差し指突っ込んでたんでした。潔癖リヴァイさんは大丈夫ですか?」

「…てめぇの指なら大丈夫だ」

「私のなら?」

「ああ……てめぇのならだ」

「?」


リヴァイさんが私をじっと見つめながら頬を優しく撫でてくるけど私は何だかそれどころじゃなくなってきた。


(ッ……ぎ…ぎもぢわるい…)


私の意思とは無関係に容赦無く喉元にせり上がってくるこの嫌な感じ…私はこれまでもお酒を飲むとちょくちょく体感してきた。
でも最近はスマートにお酒を飲んでいた筈なのに久し振りにきたよこれ。
何度体感してもこれは慣れるもんじゃない、慣れたくもないけど。

リヴァイさんの膝の上で冷や汗ダラダラで体を丸めていると、そんな私の様子に気付いたリヴァイさんが目を見開き顔を青くして私の口をガッと片手で押さえる。


「おい…待て待て…もう少し待て;」


リヴァイさんが私の口を片手で押さえたまま両膝の裏をもう一方の腕で抱え込むようにして器用に私を持ち上げて急いで立ち上がる。
リヴァイさんが押さえてくれた口をうっぷうっぷとさせている私を見て、エルヴィンさんとミケさんとハンジさんも顔を青くした。


「!?ナマエまさか…!…っ行け!行くんだリヴァイ!ミケとハンジもリヴァイに道を譲れ!テーブルもどけろ!;」

「アレか!?アレなのかナマエ!?くそ…っリヴァイ急げ!;」

「障害物は全て退けたよリヴァイ!;」

「悪いなお前ら!おいナマエもう少し……オイオイオイオイ待て待て待て待て待て!;」


徐々に膨らむ頬袋。
私を抱えたままトイレにダッシュしたリヴァイさんが奇跡的に少し開いていたドアを蹴破り……




「ッ…ゲロロロロロ!!」




……私は間一髪、モザイクがかかりそうな酸の味がするアレを便器に放出した。













「いや〜取り敢えず間に合ってよかったねリヴァイ!」

「ああ…全くだ」

「しかし本当によくやってくれたリヴァイ、お前がいなかったら間に合わなかったかもしれない」

「別にたいした事じゃねぇ、大袈裟なんだよ。それとあまりでけぇ声出すな、こいつが起きちまうだろうが」

「フ、人騒がせで酒が入るとぶっ飛んだ事をするやつだが…この可愛い寝顔を見ると全て帳消しにされてしまうな。憎めないやつだ」

「………………」

「……待てリヴァイ、俺は友人としての感想を言っただけだ…そう睨むな」

「ミケ〜あまりリヴァイの前でナマエの事は言わない方がいいよ?こう見えて独占欲強いからね〜リヴァイは♪」


ひとしきりアレを放出してスッキリした私はリヴァイさんの膝枕でまどろんでいたんだけど皆さんの声にふと目を覚ました。
皆さんはまた何か食べてるみたいで麺類みたいなのを啜るような音が聞こえる。
鍋食べてビール飲んで柿ピー食べてピザ食べた後にまだ何か食べてるなんて…普通だったら確実に太りそうだけど皆さんは普通じゃないから大丈夫なのかもしれない、見た目からは想像出来ないけど大食いなんだよねこの人達。

そっと目を開けると目線の先にリヴァイさんの喉仏があった。
どうやら皆さんカップラーメンを食べているみたいでリヴァイさんがラーメンを啜る様子を下からぼんやり眺める。
上からの蛍光灯の光でリヴァイさんの喉仏に影が出来ていて男の人の体ってつくづく不思議に思う、じゃあ男の人からしても女の体は不思議なんだろうか。
そんな事をぼけ〜と考えながら多分私が寝てる間に夜食として皆さんでカップラーメン買ってきたんだろうと今のこの状況を分析した。

私の分のカップラーメンもあるのかなと期待しつつリヴァイさんがラーメンを食べてるのを見ていたら 私も味見したくなってきて、気付いてもらう為腕を伸ばしリヴァイさんの喉仏を指で撫でる。
するとリヴァイさんの体が驚いたように小さくビクリとした。


「起きたのか…びっくりしたじゃねぇか」


微かに目を丸くし私を見下ろすリヴァイさんにあ〜んと口を開けると、ラーメンが欲しい事が伝わったのかリヴァイさんは食べてたラーメンをそっと口に入れてくれた。
うん、美味しい。


「あれ?リヴァイ、もしかしてナマエ起きたの?」

「ああ…いつから起きてたのかは知らねぇけどな」

「そっか!ナマエ、もう体調は大丈夫かい?気持ち悪くない?」


ハンジさんが上から私を覗き込んで優しく微笑んでくれるから、私はリヴァイさんに膝枕されたままこくりと頷く。
もう一度あ〜んと口を開けると、リヴァイさんはまたラーメンをそっと食べさせてくれた。


「リヴァイ、そうしているとまるで(ひな)に餌をやっている母鳥みたいだぞ」

「チッ…煩ぇぞエルヴィン」

「あははは!雛に餌やってる母鳥か〜エルヴィンうまい!あ、そうそうナマエの分のカップラーメンもちゃんと買ってあるからね♪」

「ああ、お前の好きなとんこつ味だ」


エルヴィンさんの笑いを含んだような声がして、リヴァイさんがエルヴィンさんをギロリと睨む。
私の分もあるというハンジさんの言葉に嬉しくて微笑むとミケさんが毛布をかけてくれて、ぬくぬくと毛布の中で体を丸めリヴァイさんの膝枕に頭を乗せ直す。


「全部吐いちまって腹減っただろう、今からラーメン食うか?」


頭を優しく撫でてくれるリヴァイさんに頷くと、リヴァイさんがビニール袋からとんこつラーメンを出してハンジさんにパスする。


「クソメガネ、1分で作れ」

「無茶言うなよリヴァイ〜このカップラーメンは3分待たないと出来ないよ」


リヴァイさんとハンジさんのそんなやりとりに少し笑って、私はカップラーメンが出来上がる3分の間またリヴァイさんの膝枕で気持ちよくまどろむ事にした。







(飲み会は大騒ぎ)
2016.12.4

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