進撃の巨人

□女の子の日と、優しい人
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*現パロ
*生理ネタ

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「なで、なで、なで……」

「おい、声に出すんじゃねぇ…やりにくいだろうが」

「あ、ごめんなさい」


ジロリと少し睨まれてしまって、でも怒っている睨みではなくて制止の睨みだと分かるからくすくす笑いながら口を閉じる。
優しく私の下腹部をパジャマの上から撫でてくれる大きな手が気持ちよくて目を閉じた。

くるくると円を描くようにゆっくりと撫でてくれる手が時々下腹部をじんわり温めるように止まって、赤ん坊を寝かしつける時のように指だけが規則正しいリズムでゆっくり優しく上下する。
ベッドの端に座ったリヴァイさんの両足の間に座っている私は、その安心感と心地良さに肩を上下させて深呼吸をした。
私の心境が伝わったのかリヴァイさんがいつも以上に優しく頭を撫でてくれて、思わず微笑みが漏れる。

あなたは本当に優しい人ですね。


「腰もやってやる、そのままじっとしてろ」


目を閉じていても、私を後ろから抱き締めるような体勢だったリヴァイさんがお尻を少し後ろへ引いたのが、背中からなくなった体温とベッドがギシリと軋む音と揺れで分かった。
背中からリヴァイさんの体温がなくなってしまったのは少し寂しいけれど、代わりに腰にリヴァイさんの手の温もりを感じるからプラスマイナスゼロ。

下腹部と同様、腰を大きな手で円を描くようにゆっくり撫でてくれ、リヴァイさんの体が離れた事で固定されていた体が撫でられる度少し前後に揺れる。
でもその揺れさえも、まるで揺り籠の中にいるようで眠気を誘う程気持ちいい。

そっと目を開ければ、私の太腿の両横にあるリヴァイさんの足の片方がベッドの上に上げられた。
部屋着の黒の細身のパンツの先から見えるリヴァイさんの綺麗な足の甲が私の太腿の横に置かれていて、なんだかドキドキする。
片足だけ立てて座る座り方はなんとなく男らしくて好き。
リヴァイさんがするから、余計に好き。


「ありがとうございますリヴァイさん」

「ああ、こんな事しか出来ねぇが…少しはマシだろう?」

「少しだなんて、とても助かります」


リヴァイさんの両手の親指が、腰の気持ちいい所をぐっと押してくれる。
その度、鉛でも入っているような腰の怠さが軽減されるようで気持ち良さに再び私は目を閉じた。

すると腰を親指で押してくれているリヴァイさんが、ぽつりと呟いた。


「…女は偉大だな」

「え?」


目を開け後ろのリヴァイさんを見ると、私の腰を丹念に押し続けながら伏目がちだった長い睫毛の瞳が一度瞬きした後私を射抜いて、その真っ直ぐな視線にどきりとする。
腰から視線を外しても親指の動きは全くぶれなくて、本当にリヴァイさんは凄い人。


「女は子を身籠り、産み、母乳を与える…それに比べて男は大した事出来ねぇだろ」

「そんな事ありませんよ、男性がいなければ身籠る事は出来ませんし」

「だが普段こうしてしんどいのも、産む時腹痛めんのも女だ」


私をヒョイと抱き上げ自分の膝の上に座らせるリヴァイさんに間近でじっと見つめられる。
何だかそれだけで私の中の何かが反応するのか、また下がとろりと赤く染まったような気がして少し気恥ずかしい。


「男は女には敵わねぇ…多分これからもずっとな」


唇が重なり、ちゅ…と小さなリップ音と共にリヴァイさんの唇が離れる。
私が微笑めば、リヴァイさんは微笑む代わりに優しく頭を撫でてくれる。
やっぱりあなたは本当に優しい人。

するとリヴァイさんが不意に思い出したように時計を見たので私も見ると、いつの間にか日付けが変わっていた…もうこんな時間。


「ナマエ、そろそろ寝るか?」

「はい。あ、でもその前に…お手洗いにもう一度だけ…」

「ああ、連れてってやる」


リヴァイさんにお姫様抱っこされ、寝室を出る。
心地良く揺れる腕の中で目を閉じリヴァイさんの胸に頬を摺り寄せると、そんな私に気付いてくれたのかリヴァイさんが額にそっとキスをしてくれて…これ以上ないくらいの幸福感が私を包み込んで自然と微笑みが漏れる。





本当に…あなたと結婚してよかった。







(女の子の日と、優しい人)
2016.6.3

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