進撃の巨人

□愛しさも、快感も、止まらない
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*性的表現があります、苦手な方や18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください
*ちょっと余裕のない兵長がいます

大丈夫という方はスクロールをお願いします↓


















「たまには皆で飲むのもいいものだな」

「そうだね〜久し振りに朝まで皆で語り明かそうじゃないかぁ!」

「こいつは無理そうだがな」

「……ふえ」

「おやおや?もうナマエは酔っ払ってるのかい?相変わらず可愛いな〜♪」


団長室にてひとつの机をぐるりと囲むように椅子に座るエルヴィン、ハンジ、リヴァイ、ナマエの四人の手にはグラスに注がれた赤ワインが揺れていた。
ハンジが楽しそうに笑いながらナマエの赤くなった頬を指でつんと突つくと、ナマエの柔らかな頬がぷにぷにした。
まだ飲み始めたばかりだというのに酒に弱いナマエは早々にワインで酔ってしまったらしい。


「ん…ワイン美味しいです…」

「おい、一気に飲むんじゃねぇ。一口ずつゆっくり飲め」


ワインのグラスをぐいっと傾けるナマエの手を眉間に皺を寄せながら掴んだリヴァイは、彼女のグラスの傾きを調節してやる。
不器用ながらもナマエを大切にしているそんなリヴァイの様子にエルヴィンもハンジも笑いを堪えた。
人類最強もやはりナマエには弱い。


「……………」


グラスの中のワインを空にしたナマエは目をとろんとさせながら他の三人をぼおっと見つめる。
エルヴィンもハンジもリヴァイも淡々とワインを飲んでおり、酔った様子など微塵もない。
“自分はこの中でも一番年下だがもう大人なのに何故こうも違う”と、ナマエはほんの少し頬を膨らませながら空のグラスをリヴァイに差し出した。


「ワイン、もっとくだしゃい…」

「何剥れてんだ」


くしゃりとナマエの頭を撫でてやりながら、リヴァイは彼女のグラスにワインを注ぐ。
赤いワインが揺れるグラスを目線の高さまで持ち上げリヴァイを赤ワイン越しに透かし見るとナマエの目にはリヴァイがいつも以上に大人びて見えた。


「どうした」


グラスの向こうから伸びてきた手が、ナマエの唇の横を親指で優しく撫でる。
微かにワインでもついていたのかグラスの向こうで透かし見ている人物が撫でた親指をぺろりと舐めた。


「……………」


いつも心の奥で感じている今赤ワイン越しに透かし見ている人物との差。
身体面でも精神面でも自分よりずっと大人で…厳しく、しかし誰より優しく自分を大切にしてくれる恋人。


“いつかこの人をとろとろに酔わせられるような大人の女性になりたい”


ナマエはとろんとした眼で赤ワインに染まるリヴァイを見つめた。













「……や……暑い……っ」

「おお…ナマエがいい感じになってきたよリヴァイ…フェロモンが出始めたよ」

「クソメガネ見るんじゃねぇ、鼻息も荒くすんな気持ち悪い。エルヴィンお前もだ」

「私は鼻息など荒くしていない」

「こいつを見るんじゃねぇって言ってんだ」


椅子に座りながらも上体がふらふらしているナマエの細い肩を支えながら、リヴァイはハンジとエルヴィンを睨む。
リヴァイはナマエの持っているまだワインが少し入ったグラスを優しく奪い机へ置く 、無言の“もうやめておけ”だ。


「暑いですリヴァイ兵長…これ脱ぎたい…っ」

「……ここじゃ駄目だ」


上気した頬と潤んだ瞳でリヴァイを見つめて自身のジャケットを脱ごうともぞもぞするナマエの手を掴むリヴァイ。
そんなハンジ曰くフェロモンが出始めたナマエに、言い始めた本人である軽く酔いの回ったハンジが大袈裟な程興奮する。


「ぶはっ!“脱ぎたい”きたよこれたまんないね!ナマエ、もう一回言って!」

「黙れクソメガネ!エルヴィン、もうナマエは寝かせるぞ。部屋に連れていくからてめぇらは勝手に飲んでろ」

「ああ、それがいいだろう。…ああ、待てリヴァイ」

「なんだ」


一人で立つ事も出来ないぐったりしたナマエをお姫様抱っこしながら、リヴァイは自分を呼び止めたエルヴィンを見る。
だがその眉間に皺を寄せた顔から察するに“早くこいつを寝かせてやりてぇんだから早くしろグズ野郎”とでも思っているのだろう。
そんなリヴァイに少し口の端を上げたエルヴィンはグラスの端を口につけながら優雅に足を組む。


「戻ってきても戻って来なくても、どちらでも構わないからな」

「……戻ってくるに決まってんだろ。俺のワイン、残しておけよ」

「ああ、頭の片隅に置いておく」

「え、何今の意味深な会話!」


一人興奮しているハンジに目もくれず、リヴァイはエルヴィンに小さく舌打ちしてナマエを抱えたまま団長室から退室した。

廊下を歩きながらリヴァイは考える、ナマエの部屋へ行くべきか自身の部屋へ行くべきか。
ナマエをこのまま寝かせるならば真っ直ぐナマエの部屋へ行くべきだろう。

……だが


「……っんん……」

「…………………」


うとうとしながら腕の中で小さく身じろぎ、無意識なのか火照った頬を首筋に甘えるように摺り寄せてくるナマエに…自分の意思とは関係なく男の中心が熱くなるのをリヴァイは感じた。
昼間なら首筋を覆う服装をしていたが今は首筋の開いたシャツ一枚の軽装で、ナマエの滑らかな頬の感触が直接リヴァイの首筋を刺激する。


(………やめろ)


それは拒絶の言葉ではなく、自身の劣情を抑えなければならないこの理性をこれ以上崩そうとするなという制止だった。
そんなリヴァイの心境など分かる筈もないナマエは、リヴァイの首筋が気持ち良く安心するのか尚うとうとしながら頬を摺り寄せる。


「………っ」


ナマエの微かな吐息さえも今のリヴァイには甘い刺激に変わった。
普段ならこの程度難なく交わせるというのに、リヴァイも酔っているのだろうか…体は熱くなる一方で中心は抑えようと意識すればする程熱を増していく。


「っ……チッ」

「んぁ……」


自分の理性はこうも脆かったか?と自己嫌悪に小さく舌打ちしながらリヴァイはナマエの体を微かに浮かせながら抱き直した。
その際小さくナマエが甘い声を漏らし、リヴァイの理性を更に揺さぶる。


(……少し、遠回りするか)


少し本部内を歩き、俺の熱が冷めたらこいつの部屋へ行く…それでいい。
それまでにはこの熱も治まる。

そう結論し劣情を理性で抑え込んだリヴァイは、今だうとうとしているナマエを抱えなるべく彼女を揺らさないよう適当に廊下を歩く。
夜も深まった本部の廊下は静かで、そこにはリヴァイの足音とナマエの小さな吐息しか聞こえない。

うとうとが本格的な眠気に変わったのかナマエは僅かな身じろぎもしなくなりリヴァイの肩に頭をくったりさせている。
長く目を閉じては少し開け、また長く閉じる…その繰り返しだったが、目を閉じている時間が長くなってきた。
このまま眠ってしまいそうだ。


(……ゆっくり休め)


大分、熱も治まってきた。
リヴァイはナマエの額に軽く口付けながら、適当に歩いていた自身の足をナマエの部屋へと向かわせる。

このままナマエを寝かせ自分はエルヴィンとハンジの元へ戻る、リヴァイはそう思っていた。
だがそれは…ナマエの一言によっていとも簡単に覆された。


「リヴァイへ…ちょ…大好、き…です…」


夢の世界へ入りかかっているのか、殆ど寝言のように呟かれたナマエの言葉。
リヴァイはその言葉に眉間に皺を寄せる。
その表情の理由は勿論ナマエの言葉が癇に障ったなどではない。


ナマエの言葉に…やっと治まりかけていた熱が、再び熱を取り戻してしまったからだ。



「チッ…てめぇ…止め刺しやがって…」


自身のズボンを押し上げる、言い訳の仕様もない劣情。
正直、早く刺激が欲しくてたまらないまでに。

リヴァイは苦虫を噛み潰したような顔をしながらも顔を赤くする。
それは可愛い言葉に湧き上がる愛しさと、羞恥心と、俺の理性をとうとう崩しやがったなというほんの少しの憎らしさからくる顔だった。


「…………」


キィ……バタン


リヴァイは偶然か必然かドアが微かに開いていた空き部屋の中へ入り足でドアを閉める。
そこは窓から入る月明かりで十分視界は効いた。
窓の下に小さな机と壁際には使われている気配のないソファ…それだけしかない質素な小部屋、空き部屋なのだから当然といえば当然かもしれないが。


「汚ぇな……空き部屋でも掃除ぐらいしろ」


埃の被ったソファの前へしゃがみ、ナマエを一度膝の上に座らせるとリヴァイはハンカチでソファの埃を取り除く。
綺麗になったソファにナマエを仰向けに寝かせ、リヴァイはしゃがんだままいつの間にか完全に眠ってしまったその幼さの残る寝顔を見つめた。
月明かりに照らされたナマエの寝顔は益々色白で透明感があり密度の濃い長い睫毛と血色の良い唇が際立った。


「………っクソ」


我慢の限界だった。
リヴァイはベルトを外し、熱く勃起した自身を握りナマエの寝顔を見つめながら上下に扱く。
刺激に素直に反応した自身は益々血流が集まり腹につきそうな程立ち上がる。
望んでいた快感を得ているというのにそんなリヴァイは苦痛にも似た顔をしていた。


(何してんだ俺は……だが…止まらねぇ……)


ナマエを視姦しながら快感を得ている自分への自己嫌悪を感じながらも手は止まらない。
そんなジレンマが更にナマエを愛しく思わせ、リヴァイの手は刺激を求め激しさを増す。


「うっ…!くっ……あっ…、…!」


ぐちゅぐちゅと卑猥な音をさせる自身に舌打ちしながら、リヴァイはナマエへと片手を伸ばす。
ナマエの胸元のシャツのボタンを外し、可愛いらしい下着と小さな胸の膨らみを露出させた所で…。


「………ん」


リヴァイの手を微かに感じたのか、眠っているナマエが寝返りをうち仰向けだった体がリヴァイの方へ向き月明かりがその胸元を官能的に照らした。
それが、まだほんの少し…ほんの少しだけ残っていた欠片程の理性で視姦に留めていたリヴァイの理性を…跡形も無く駆逐した。



(……もう、エルヴィンやハンジの所へは…戻れそうにねぇな…)



「…っあ……うっ…!!」


そうリヴァイが思った直後、熱が勢いよく弾けナマエの胸元を白く汚す。
びちゃびちゃと飛び散る自身の放った白い粘液がナマエを汚していく様を、リヴァイは快感に体を微かに震わせながら見つめた。


「…っはぁ……あ……っ」


熱を放ったというのに、リヴァイの勃起は治まらない。
寧ろ、この月明かりが照らす部屋の中で浮き上がったようなナマエの透明感と不釣合いな行為の共存が、リヴァイの劣情を掻き立てて止まなかった。


「ナマエ……」


リヴァイはソファに横たわるナマエの上へ覆い被さる。
ギシ…とソファがリヴァイの体重によって音を立て、その音によってかナマエの睫毛が微かに震えたかと思うと、その瞼が…ゆっくりと開いた。
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