進撃の巨人

□君を独り占め
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「フンフンフ〜ン♪お、いたいた!」


食堂に入って私がいの一番にする事といえばナマエを探す事、探すといっても可愛い笑い声がするから直ぐ見つけられるんだけどね。
しかし今日もエレン、ミカサ、アルミン達と一緒かぁ相変わらず仲良しだなぁ。


「あ、今日はリヴァイ班の皆までいるじゃないか〜全く人気者は大変だねぇ」


ナマエが座っているテーブルは可愛いナマエ目当ての人物で既に埋まっていて私は口を尖らせた。

ナマエが笑うと同じテーブルに座っている皆は男女問わず頬が緩む。
…ま、人類最強だけは相変わらずの仏頂面だけど長年リヴァイを見てる私には顔には出さないけどリヴァイが内心照れてるってのが分かるんだ。
あのリヴァイまで夢中にさせちゃうんだからナマエは本当に凄い子だよ、うんうん。


「でも…ナマエは誰にも渡さないよ〜?こうなったらあそこにいる人達全員に退いてもらうしかないな」


え?どうやって退かすのかって?
ふっふっふ、まぁ見ててよ!とっておきの方法があるんだ。
朝食を持ってナマエが座っているテーブルに近付くと、ナマエが私に気付いて満面の笑みを向けてくれる。

あぁあぁああぁあ!!!(興奮)
やっぱりナマエは可愛いなぁ!!
笑顔の周りに花が飛んでるよ花が!!!


「ハンジさん、おはようございます!」


ナマエの笑顔に反応した同じテーブルに座ってる皆が一斉にぐるりと私の方を向く。
怖い怖い皆怖いよ目が据わってるよ!!
でもこっちには必勝法があるんだ!!


「おはようナマエ♪」


負けじと私もナマエに笑いかけナマエの頭を撫でる。
するとナマエが肩を竦めて頬を染めながらくすくす笑う。


「ふふ、くすぐったいですハンジさん」

「……っ!!……っっ!!?///」


な、何なんだこの子は!天使か!天使きたよこれ!天使の笑顔頂いちゃったよ!
髪の毛信じらんないくらいサラサラだし…やっぱり天使だ…リアル天使がここにおる!!!

無意識に鼻息と動悸を荒くしてるとリヴァイの何の遠慮もないでっかい舌打ちが横面にぶち当たったみたいに感じた。
何なの、舌打ちという名の大砲ぶち込まないでよ邪魔しないでよ。


「おいクソメガネ…てめぇ、いつまでそいつを撫でてやがる」


このテーブルで唯一私に文句が言える立場のリヴァイが今にも噛み付いて来そうな犬みたいに睨んでくる。
グルルルって唸り声が聞こえてきそうだよほんと。


「…………フ」


でもねリヴァイ、今の私にはリヴァイでさえ赤子同然なんだよ。
私はナマエの頭から手を離し薄く笑う。

するとリヴァイも含め同じテーブルにいる皆も私の不気味な薄ら笑いに何かを感じ取ったみたいで、目を丸くして生唾を飲んだのが分かった。



さぁ…退いてもらうよ?

一人残らず綺麗にね!!!




「あ!ねぇ皆!昨日巨人の事で面白い事に気付いてさぁ!今から話し聞いて……



ガタガタガタ!!



私が言い終わる前に、ナマエ以外の全員が弾かれたみたいに席から立ち上がる。
顔を青くする皆とは逆に、ナマエは頬を紅潮させて嬉しそうに笑った。


「わぁ!私聞きたいです!面白い事って何ですかハンジさん?」


見ての通りナマエは巨人に興味を持ってくれているんだ、だからこう言えばナマエは一瞬にして私が独り占め出来るのさ!!
ナマエの反応に立ち上がった皆がギョッとする。


「お、おいナマエ!お前も俺達と一緒に来いよ!;」

「だって私ハンジさんのお話聞きたいもの、エレン達は先に行ってていいよ?」

「そうそう!先に行ってなよ〜エレン♪それとも一緒に聞く?ちょっと長くなるけど〜」

「く……!;」

「エレン、今日は諦めよう;」

「そうだよ、あまりに危険だ…!;」


エレンとミカサとアルミンが冷や汗流しながらじりじり後退する。
ナマエの隣りに座っていたエレンの席に私が代わりに座ってあげると、エレンがぐしぐし涙を袖で拭いていた。

ごめんよエレン♪
一ミリも思ってないけど♪


「てめぇ…クソメガネ!面白い事に気付いたとか適当な事言ってんじゃねぇ!」

「適当なんかじゃないよ〜本当さ!リヴァイも一緒に聞いてけばいいじゃん、絶対面白いから♪」

「チッ……!;」

「兵長!ここは引きましょう!;」


リヴァイと他のリヴァイ班の皆も不本意そうにじりじり後退する。
そんな皆を横目に、ワクワクした様子で私の話しを待っているナマエに向き直してその可愛い笑顔をテーブルに頬杖ついて見つめた。

これで君は私が独り占めだね♪


「お待たせナマエ、巨人の事沢山話そうか♪」

「はい!」



ナマエの笑顔が私だけに向けられる…ああ、なんて至福のひとときだろう。

今日も幸せな一日になりそうだ♪







(君を独り占め)
2016.4.11

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