進撃の巨人
□欲望を吐き出す代わりに生まれる罪悪感の夜
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*性的表現があります、苦手な方や18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください
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「…っく……はぁ…っ」
ベッドの中で熱くなった股間をズボンの上から摩るとたまらない快感が込み上げた。
紛れもない自分の手なのに頭の中で勝手にあいつの手に変換する。
あいつの細くて華奢な手が俺の股間を触っていると想像すると腰がぞくぞくした。
「ナマエ……くっ…う…っ!」
寝静まった周りの奴らに気付かれないよう頭までベッドの中に潜り込み、仰向けになる。
またでかくなった股間の上で手を往復させると背が仰け反った。
『エレン』
今日もあいつは屈託無く俺の名前を呼んで微笑みかけてきた。
自分がこうして妄想の中で欲のまま抱かれてるとも知らずに。
最近はナマエと接する度、条件反射みてぇに身体が勝手に精子と性欲を作り出す。
なんでだ?前はこんなんじゃなかった、頭ん中は巨人を駆逐する事だけが渦巻いていて…今もそれは変わんねぇけど…いつの間にか俺の意識の中に、ナマエも居座るようになった。
「ハァ……っハァ……っ」
ズボンと下着を下げると天を向いた自身が勢いよく飛び出てきた。
そのまま片手で強めに握ると思わず出そうになる。
「うっ…!……っはぁ…危ねぇ…」
なんとか持ち堪えて、緩々と手を上下に動かす。
手を動かす度くちゃくちゃ音がして、この快感はズボン越しじゃ得られない。
きっとナマエを妄想の中で抱いてるのは俺だけじゃない、アルミンや…もしかしたらリヴァイ兵長もかもしれねぇ。
二人はしょっちゅうナマエの事をチラチラ見てるし、よく話しかけている。
だがアルミンはともかく…リヴァイ兵長は一人でシたりするのか?
いや…兵長だって男だ、こういう事だってするはずだ。
だから…俺がこうしていつも…ナマエで抜いてるのは…別に…変な事じゃ……。
「…っあ…、…くっ…!」
自分に言い訳つけて手の動きを徐々に早くする。
先走り汁が垂れて手の滑りがよくなり頭がぼうっとしてくる…やべぇ…気持ちいい。
(なんでナマエの事が頭から離れねぇ?俺はあいつの事…どう思ってんだ?)
あいつの笑顔を見ると心臓が煩くなって、あいつが他の男と話してると頭に血が上って、あいつが泣きそうな顔してると抱き締めたくなって…。
「……っナマエ…好き…だ…っ」
口から自然と出てきたのはそんな言葉だった。
そうか…俺はナマエの事が好きなのか。
だからいつもあいつの事を考えながら…妄想の中であいつを抱く。
待てよ、じゃあもしかしてアルミンやリヴァイ兵長も…ナマエの事が好きって事になるのか?
「…っ駄目だ……あいつ、は…あいつは…俺…の…っ」
(俺の…ものだ……!!)
怒りにも似た独占欲に無意識に手に力が入る、そのままぐちゃぐちゃ激しく上下に扱くと一気に射精感が込み上げた。
身体が痙攣して、ベッドがギシギシと音を立てる。
「…っはぁ…!…っ出…る…っ!!」
限界まで膨張した自身を手でぎりっと締め付ける。
その直後に熱が勢いよく弾けて…ベッドに飛び散らねぇように急いで手で押さえた。
「くぅ…っ!……っっ!!」
出している間下唇を噛んで声が漏れねぇようにする代わりに鼻息が荒くなって何となく格好がつかねぇ…くそ。
押さえた手に飛び散る精液の生温かい感じ…俺は後何回繰り返すんだろうな。
射精が終わり、身体が急激にだるくなるのと同時に脱力するとようやく心臓の鼓動も少し収まってきた。
手にべっとりとついた大量の精液をぼうっとする意識の中で眺める、ナマエは今頃…何してんだろうな、何してるって…当たり前だが寝てるか。
後始末を終えて、ようやくベッドから顔を出す。
他のやつらの寝息やいびきが聞こえる中で俺もゆっくり目を閉じた。
また朝になればナマエと顔を合わせる、そしてまた俺は何もなかったみてぇにあいつに笑いかけるのか。
「………っ」
自分がすげぇ汚ぇ奴に思えてまた俺はベッドに潜り込む。
そのまま枕に顔を突っ込んで歯を噛みしめた。
(悪いナマエ…でも…好きなんだ……)
きっとナマエを好きな間はこんな夜をずっと繰り返す。
欲望を吐き出す代わりに生まれる、罪悪感の夜を。
2016.3.14