HelloWould!!!!

□第6話 夕飯と寂しさ
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部屋に入り1人静かに残り夕飯を食べる。放浪していた時はいつも1人で食べていたからどんな時でも1人になる事は慣れていたはずだった。しかし、此処数日平助達にに誘われてからはみんなでわいわい騒いで食べていたのでなんだか寂しい。1人とはこんなに寂しい事なのだと実感した。

「(此処の人たちはみんな優しすぎる。温かすぎるんだ。)」

ぼーっと考えていると廊下を歩いて近づいて来る気配が1つ。この感じからして気配の主は土方さんだった。土方さんは声も掛けずに無言でズカズカと部屋に入ってきた。その手にはおそらく土方さんの分であろうご飯があった。

「声も掛けずに入ってくるなんて随分と失礼な事するんですね、副長様は。」

「………。」

土方さんはその場に胡座をかくとあたしの問いかけにも答えず黙々と自分の分の飯を食べ始めた。

「(ったく、無視かよ。人の部屋に声も掛けずにいきなり入ってきといて。)」

そのまま何か会話もする事もなく。淡々とご飯を食べていた。この人は本当は優しい人なんだと思う。鬼の副長なんて巷では呼ばれてるらしいけどそれは新選組を1番に思ってるからわざと厳しくしているだけで。さっきの事を悪く思ったからこうやって自分の分の飯を持ってきて此処で食べてるみたいだし。可愛い人だ。

「さっきは、悪かった…。」

小さな小さな本当に小さな声で何か言った。

「え?なんか言いましたか?」

「だからその…」

「なんですか?はっきりいって下さい?」

「さっきは悪かったって言ってんだよ‼」

「っ⁉」

土方さんが謝罪した?え?なにこれ?え?

「土方さん、あの、出張先で悪いものでも食べたべたんですか?大丈夫?あ、それとも頭打ったとか?」

「てめぇ‼俺をなんだと思ってやがる…」

「俺様、王様、将軍様、土方様でしょ?」

「お前な…はぁ。」

当たり前でしょ。という顔で答えたあたしに呆れて怒る気も失せたのか溜息を吐いた。

「ありがとうございます。」

「あ?」

「ありがとうございます。さっきよりは人数減っちゃったけど1人はやっぱり寂しいなって思ってましたから。土方さんっと一緒にご飯食べられて、嬉しいです。」

そう言って微笑み掛けると目を見開き驚いた顔をして動かなくなりそのままずっと見つめつくる土方さん。

「?あのあたしの顔になにか付いてます?」

「っ⁉いや、何もついてねーよ‼」

「変な土方さん。絶対なんか悪い物食べたって。」

「てめっ‼まだ言うかっ‼」

「言いますよ。いくらでも。」

土方さんが来たことでいつの間にか感じていた寂しさは感じなくなっていた。この人の優しさに触れて心がむず痒くなった。
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