HelloWould!!!!
□第4話 力試しと役職
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翌日。予定通り神流の実力を測るために稽古場に幹部達と神流が集まった。
「よし。揃ったか。じゃあ今から総司と星川の試合を始める。2人とも準備はいいか?」
「僕は準備できましたよー。土方さん」
「あ、土方さーん竹刀もう一本貰えますか?1本じゃどうも落ち着かなくて…」
「お前二刀流なのか?」
「あ、まあ、そんな感じです。」
「ほら、これでいいか?」
「はい。準備万端です‼」
あたしと沖田さんは向かい合い一礼し竹刀を向け合う。少しの沈黙の後土方さんの凛々しい掛け声が響いた。
「1本勝負。どちらかが参ったと言うまで試合を続ける。いいな。それでは始め‼」
その直後先に動いたのは沖田だった。先手必勝とばかりにどんどん撃ち込んでいく。しかし神流は難なく攻撃を避ける。
「おい、神流のやつまるで総司の撃ち込んでくる場所が最初からわかってる見てぇな動きしてねーか?」
「わかってる⁉予知でもしてるっていうのか?」
「予知っつうかーなんていうかー」
「でも言われてみればそうだな。総司の突きを顔色1つ変えずに避けてやがる。」
ヒュンヒュンと竹刀が風を斬る音がなる。
「ねぇ。さっきから避けてばかりじゃない。これじゃあ試合の意味ないんだけど。」
「確かにそうだけど多分今私が本気出したら一瞬で終わっちゃうよ。それは詰まらないから避けてるだけ。」
「っ!言ってくれるじゃない。それじゃあ見してあげるよ僕の取って置き。」
すると沖田は攻撃をやめ片手を引き構える。
「(初めて見る型だ。注意したほうがっ‼)」
その瞬間沖田の姿が一瞬消えた。消えたとと同時に竹刀に思い一撃が加わる。それで終わりかと思うとまた一撃。そしてまた一撃と3回に渡り竹刀が折れそうになるほどの攻撃を打ち込んできた。
「(っ‼3回で終わりか。4回あったら竹刀がおじゃんになってたな。)」
「総司の3段付きを受け止めたぞ⁉」
「いやー。今のは流石にびっくりした‼ずごいねーあんな打撃3回もちょっと負けそうになっちゃった。」
「全然そんなこと思ってないくせに。」
ハァハァと荒い息をする沖田を横目に余裕そうな神流。
「取って置きを見せてくれた沖田さんに敬意を払ってあたしもちょこっと本気だそうかな。」
「へぇー嬉しいな。(今まで全く本気じゃなかったってこと?言ってくれるじゃない。)」
その瞬間神流から凄まじい殺気が放たれる。
「っ‼」
「っ‼なんつー殺気だ。立ってるのもやっとだぜ。」
「あぁ、今平隊士がいたらぶっ倒れてただろうな。」
「それじゃあいくよ‼」
神流は沖田の視界から消え腹部を狙う。沖田はギリギリのところで受け止めるが苦しそうだ。
「ほらほら‼さっきまでの威勢はどうしたの?」
「ぐっ‼」
二刀流の連続攻撃が続く。
「あいつ形が無茶苦茶だ。ありゃ自己流か?」
その時沖田は神流の連続攻撃を弾き完全に無防備な体勢を取らせガラ空きの腹部を狙う。完全に勝負ありかと思われたしかし沖田がどうを突こうとした時には神流は視界から消えていた。この変わりにやってきたのは首筋にあたる竹刀の感覚。竹刀であることを忘れしまうほど神流の放っている空気が思い。
「たとえ竹刀でも貴方の首を跳ね飛ばすことは可能よ。」
冷酷に言い放つ神流。本気で殺りそうな勢いだった。
「……………参った。」
その言葉を聞いた神流は竹刀を下ろし最初の位置に戻り一礼する。
「総司が負けた。」
「勝負ありだな。お前の実力はよーくわかった。てことでお前には副長補佐にする。」
「ん?ちょっと待て。もうちゃっと吟味するとかないの?それに副長補佐?千鶴という小姓がありながら?」
神流は抗議の声を上げる。
「あぁ、幹部にしたいが今は隊全てに隊長がいる。空きがねぇから副長補佐だ。それに俺だったらお前が逃げようとした時応戦できるだろうからな。」
「絶対最初から決まってたんだ 。絶対決まってたんだ。試合する意味なかったじゃん。はぁ。随分と自信満々だね。まぁいいけど。じゃあよろしくね副長殿。」
「ふん。なんとでも言え。」
こうして神流は副長補佐役になったのでした。