BOOK

□目に映るもの04
2ページ/10ページ


「そりゃ隣のクラスの学ランだな」




「本名は宮澤 佐江
自分の事男だと思ってっからな
てかその様子だと名前の事
男だと思ってんな」



ホルモンを分けてもらいつつ
昨日の事を相談する



「名前気を付けろよー
あいつ女子は誰でも守るってやつだけど
男だと思ってんなら喧嘩売られっかもな」


オタの冗談に困ったように笑い
私も女だよ??と目を見つめる


顔が近くなったオタは
驚き固まって動かない



「最近は前田にぞっこんて話だろ」




「前田・・・さん??」



「あれだよ、てかだるまが
いないなんて珍しいな」


アキチャの指した方向には介護の本を読む
大人しそうだが明らかに強そうなオーラを放つ人がいた


「だるま??」




「名前も見たことくらいあんだろ
顔デカいやつ」




「顔っつか図体じゃね??」




「あー!! 金髪の弱い人!!」



名前の直球な表現に笑いが起きる
その様子に連られて笑みを零した


ーーーガラッ

「あつ姐〜おはようございます!!」




「おー来た来た
って、名前??」


前田に笑顔で突撃するだるまに近づく


「だるま、ちょっといい??」




「何やお前は??」




「学ランの事で聞きたい事が・・・」




「おい、何してんだよ!!!!」


だるまに学ランの居場所を訪ねようとした時学ランが教室に飛び込んで来た


昨日の好奇の目とは打って変わって
鋭い目つきで名前を見る


「・・・お前まさか狙ってんのか??」



「いや、だから・・・」
(話し聞いて・・・)


名前がだるまに話しかけるのを見て勘違いした学ランが叫ぶ


「だるまは俺のだ!!!!」







ーーーシーン







『そっちかーい!!!!』


突然の告白に反応できないだるまに変わり
ホルモン達が叫んだ


「お・・・お前、今のギャグやろなぁ??」



だるまを一瞥して
再度名前に向き直る



「同じ女を好きになっちまったんだ
こうなったら仕方ねぇよな」




「・・・」

喧嘩の態勢になっていく学ランに対し
余裕とも見れる表情で笑みを見せる名前


「おい、マジでやんのかよ」




「でもラッパッパに入るくらいだ
やっぱ名前強ぇんじゃね??」


ホルモン達も心配というより
名前の強さの興味に引かれ寄ってくる


「勝った方がだるまをもらう
負ければ黙って引き下がる

男に二言はねぇな??」




「・・・」




「・・・って何で名前まで
だるまが好きみたいになってんだよ」



「いーじゃねぇか、面白そうだし」




「行くぞぉぉぉ!!」



掴みかかって来る学ランに名前が受け身を取ろうと構えた時


ーーーガッシャン!!

近くに椅子が飛んで来て
その場の全員が動きを止めドアの方を見る



「おい、名前何遊んでんだよ
さっさと部室顔出せよ!!」




「シブヤさん、すいません」



ドアに寄りかかるように立っていた
シブヤの元に駆け寄る



『シブヤさん、お疲れ様っす!!』




「待てよ!!
男のタイマンにでしゃばんじゃねぇよ!!」




「はぁ???
こいつは女だ バーカ

行くぞ名前」


猫の様に首根っこを捕まれ
苦笑いしながら大人しく付いて行く





「・・・お、女・・・??」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ