奔放自在な夢

□5話
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「一ついいですか?」


視線が一斉に集まる


「ここでこういったことを言うのは不味いとは思いますが、後々誤解を生まないために言っておきます」





隊士たちの頭の上に?が乗ったところで




「私は攘夷派ではありませんが、同時に幕府側でもありません」


と言った瞬間的、動揺が走り、空気が一気に張りつめた


「だからといって敵というわけではないので安心して下さい

私は、いわば第三者陣営の人間です
こちらの陣営は勢力争いに参加するつもりはない故、敵に回さない限りは幕府を相手取ることはありません
敵に回そうものなら…倒幕派に加担するかもしれませんが、そのようなことはないでしょうね

私は個人で、一人の友人の助けになればと、幕府側にいるだけで忠誠があるとかじゃないです

平の私がどうこう言ったところであまり関係ないかもしれませんが、敵の間者ではないことだけは分かってください」


そこまで言って、土方の方をちらりと見る

真選組の人達は呆然とした様子で此方を見ていた


「…つまりは、その友人のために幕府側にいるってことか?」

「簡潔にするとそうですね

友人に頼まれなきゃ今頃旅して人生をenjoyしてますもん」


軽くおどけてみるが、少しまだ空気がピリピリしている




「…フン、なかなか面白れェやつじゃねェですかィ

なんつったっけ?倭…マリカ?」

「そうですよ

マヨ穴作りやがった沖田総悟君?」


昨日のこと忘れてねーぞという目で見る


「あれテメェだったのかよ…

あー、俺と手合わせしねーかィ?」


は?どの流れでそうなった?

つかマヨ穴謝れ!


「待て総悟、マリカちゃんは事務方だから刀を使う必要はないんだぞ!?」

「わかってやす
でも全く必要ない訳じゃねーでしょう?
真選組ってだけで、いつ襲われるかわかったもんじゃねーんですぜ?
最低自分の身ぐらい守れねーと話になんねィと思いやす」

(刀は使えねェとか言ってたが、ただ者じゃねェのは確かなんでィ
世紀末党のときなんざ、ひとりで脱出してやがったみてェだし、実力を測っておきてェんでィ)


「なるほど…一理あるな」

「…ほー、明日は雨でも降んのか?」


と言いつつも薄々勘づいている土方


「…死ね土方

で、どうなんでィ?」

「…やるだけやりましょうか」


と答えるマリカに今度は警戒心や殺気ではなく、心配そうな視線を隊士たちは送るのだった

彼らは沖田が強いこと、手加減などしないことを知っていたから


ーーー




…正直言おう、勝てる気がしない


竹刀を握ったのは何年かぶりだし、多少は扱えるといってもそこまで上手くはない

健彦どのが教えてくれたのは槍の扱い方ぐらいで、私が女であることとバルバッド王宮剣術があるから必要ないだろうと言い、刀なんて全然教えてもらってない

なんで槍は教えてくれたのかというと、この国の女子は薙刀術を嗜むのでまあまあ使い方が似ているであろうと教えてくれた

性別による区別はあの…女王様がいる国で痛いほどわかっているので、それが理不尽だなんて言おうとは思っていないから仕方のないことと思っている

私は剣は使えるが刀はあまり使えない、ここ重要

剣と刀は似ているで別物だ

斬るだけなら刀でも問題ないが、対人になると技術力と力の無さが目立ってしまう
無論剣(短剣っぽいの)は慣れていて我ながら技術力もかなりあると思っており、いつもテクニックでカバーしている

奥の手として魔力操作があるが…

今これを使えば大惨事になってしまうだろう…
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