奔放自在な夢
□4話
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「将ちゃーん!…って誰だァ、その娘は…?
まァさァかァ、コレかァ?」
いきなり襖が開き、サングラスをかけた厳ついおじさんが入ってきた
そして、"コレ"と言って小指を立てている
「いや、女ではないぞ」
「…茂茂殿、言いたいことはわかるが…
それじゃ私の性別が女じゃないみたいに聞こえるんだけど!?」
このおじさん、さっきは居なかったけど、単独でこの部屋に入れるということは相当に身分は高いのだろう
「んじゃ、孃ちゃん、てめえ何者だァ?」
刺々しい感じではない
警戒されているわけではないようだ
怖そうだけども
「ああ、紹介する
彼女は私の友人の…」
「倭マリカです
茂茂殿とそよとは京で知り合いました」
ただの友人にしておこう
これ以上はまずい
「マリカちゃんかァ…
俺ァ警察庁長官、松平片栗虎だァ
とっつあんとでも呼んでくれや」
「あ、はい…」
と握手を交わす
「ところで片栗虎、今日はなんの用で来たのだ?」
「真選組の件なんだが…
最近、事務方が不足してるらしくてなァ、いつまでたっても書類が来ねェから、将ちゃんと(キャバに)飲みにいこうかなーって」
キャバって聞こえたような…?
てか、仕事ほったらかして来たのかこの人
大丈夫か?この国は…
「真選組…事務方不足…」
茂茂殿が呟きながらこっちをみる
うん、嫌な予感
「マリカ、外交官長の仕事がない間なのだが…」
ーーー
ー
「何がどうしてこうなった…?」
とっつあんの車の中で呟く
茂茂殿の考えで真選組の事務方で働くことになった私
立場的にそれは流石に…と思ったのだが、私の出自をしらないとっつあんがなぜか賛同し、そのまま真選組には連絡もせずに行くことになった
女だから…、刀は苦手だから…と言ったが、事務方は戦わないから問題ないととっつあんに反論をはね除けられた
つか、いくら上司だからってアポなしで行くのはちょっと迷惑なんじゃ…
_ギィィ
「おーい、ついたぞー」
「…帰りたい」
真選組の屯所に着いた
入る入らない云々の前にあの事件の取り調べがあるだろう
バタバタと黒い制服を着た人達が駆け寄ってくる
昼間に会った土方や総悟?とは服が少し違う形だ
「長官殿、どういったご用件でしょうか?」
戸惑った様子で尋ねる隊士
「ちっとなァ、この嬢ちゃんのことで近藤達に用があってよォ
あいつらのとこ連れてけェ」
「はっはいぃぃ!」
拳銃突き付けながら言うとっつあんに怯えて返事をする隊士が哀れだ…