小説
□雨ざらし
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J-side
「やめてよ!」
普段の様子からは想像できないほどの声の大きさで拒否されたものだから、あたしは驚いた。
「そうやって、私に話し掛けて何が目的なわけ?面白いとでも思ってるんでしょ!そういう冷やかしなら要らないから!」
目の前にいるのが本当に玲奈ちゃんなのかと思うくらいの変貌ぶりで、あたしは声を発するのが1テンポ遅れた。
「…え?玲奈ちゃん何言ってるの?ちが、」
あたしが言い終わる前に玲奈ちゃんは教室を出て行ってしまった。
呆然と立ち尽くすあたしに何人かが寄ってくる。
「何あいつー。せっかく珠理奈が話しかけてあげてんのに。」
「ちょっと勘違いしちゃったんじゃないの、かわいそー(笑)」
「だいたいさ、珠理奈と話せるだけ有り難いと思ってないよねー」
好き勝手言う奴らにイライラして、あたしも教室を出た。