明々煌々

□宴のはじまり
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おまけ



帰り道にて。


「イコ、勘違いしているのならば言っておくぞ。確かにセイバーは我の好みだが、我にとって最上の女はそなたのみ」

「ああ、別にいいよ。君は全力でセイバーを追いかけなよ。いや全力で追いかけてくれ」

「ほう…さすがは我が妃。我の移気にも寛大か。だか案ずるな、あれは慰みものにしかならん。せいぜいが妾だ」

「…そうかい。別に、あの子なら君の隣にいてもいいんじゃないかな」

「我の隣に座するはそなたのみ。これは王たる我の差配だ」

「あーはいはい…」





おまけ2


「そういえば、アサシンたちはアレクサンドロスが掲げた柄杓を間髪入れずに真っ二つにしたけど、あれって安酒はいらん、高い方の酒にしろ!っていう意思表示じゃなかったのかな。アレクサンドロスはとんでもない早とちりしてたんじゃないの」

「どちらにせよ、我が供した酒は、あの時点で一滴も残っていなかっただろう?」

「え…」

「バレていないとでも思ったか。そなたの動きはきっちり捉えておるぞ。もちろん、我の酒盃に手を出したこともな」

「うわ、ごめんごめん!だって、ギルのお酒美味しいんだもん!!久々だったから、つい…」

「貸しだな」

「げっ…」

「そのうち膝枕でもしてもらうか」

「えぇー…」






おまけ3


「今日は久々にヘタイロイして楽しかったなぁ」

「突然走りだしたときは、さすがの我も驚いたぞ」

「いやあ、アレクサンドロスの大遠征に同行したことを思い出したら、いてもたってもいられなくなってね。というか、私が参加するのは当然でもある」

「ほう?」

「私はアレクサンドロスの顧問魔術師で、彼の友人でもあった。戦のときはいつも彼のすぐそばにいたんだよ。だから、本当に軍勢を再現するなら、私がいて初めて完成するのさ」

「つまり、そなたは奴の臣下だったと?」

「ううん。王の私的な友人として、実権はないけど身分的には王と対等に扱われる顧問魔術師っていう役職を作ってもらったんだ。私は誰の風下に立つ気もないからね」

「そうか。だが奴の友というのが気に入らん」

「えっ、なんで?」

「あのような盗人まがいの輩が、我が妻の友など…」

「いや盗人って…君もガンガン征服戦争してたじゃないか。ていうか、私は君の妻じゃないからね!?」
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