ハイキュー!!

□その何気ない一言が嫌い
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「縁下」


「?はい、」


「スガって可愛いと思わないか?」


「………はぁ」






‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



また始まった。澤村さんの話。

俺はこの時の澤村さんが大嫌いだ。



だって、仮にも俺と澤村さんは付き合ってるわけなのに、なのに…



「……でさ、…って、縁下聞いてるか?」

「…聞いてますよ」



こうやって俺以外の人の話するとか恋人としてどうなんだろう。

そもそも他の人を可愛いやらかっこいいやら言うところからおかしいと思う。



俺はそろそろ限界ですよ、澤村さん。



「………あの、澤村さん」

「ん?なんだ?」

「…もう別れませんか?ていうか別れましょう、もう我慢できないので」

「え?…ちょ、縁下どうした?」

「どうしたもこうしたもないです、元凶は澤村さんですからね?」

「あ、ごめん?」

「………あー、もういいです、じゃあ俺帰りますね」

「え、縁下!?」



俺は澤村さんの呼ぶ声を無視して、早足で帰った。

……案の定、澤村さんは追いかけてこない。



「勢いであんな風に言っちゃったけど…言ったら言ったでなんか虚しいな……」



なんだかんだ言って俺は、澤村さんが大好きだったんだな…と、今更ながら思う。

そりゃあ、恋人の前であんな話されたら誰だって傷付くけど…

でも、あれだけされても嫌いになれないのが恋人ってやつなんだろうな、きっと。










俺は、俺の中で色々混ざってる気持ちを紛らわすように、家へと駆けていった。
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