ハイキュー!!

□知らない内に
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俺は、知らない内にクロに迷惑をかけていた。






‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



「……クロ、早く帰ろ」

「おー、ちょっと待っててな。先生にこれ渡さないと」

「なるべく早くね…」

「はいはい」



…クロは、俺を甘やかすのが上手だ。

逆に、俺はクロに甘えるのが上手。



でも、これは《俺の中》でのクロと俺。

クロの中では、どんな感じに思ってるんだろう。



…………同じ、だといいな…。








「……クロ、遅い…」



クロが職員室に行ってから、既に10分は経っている。

そんなに先生と長話でもしてるのかな…



俺は気になって、職員室まで行こうとした。






「な………こ…め………は……た…」

「…れ……う…な」



「…ん?」



裏庭のほうから若干声が聞こえる。

俺は物陰に隠れて、話を聞くことにした。



「…だからよ、ホントは面倒なんだろ?孤爪」

「まぁ…面倒っちゃ面倒だけどよ…」



「え、…」



そこで話していたのは、クロと見知らぬ人だった。



「じゃあもう良くね?孤爪なんか放っといても大丈夫だっての」

「………だよな、そうだよな」

「おう、黒尾はよく頑張ったと思うよ、俺」

「さんきゅ」

「よく面倒な奴と一緒に居れたよなー」

「…まぁ、“一応”幼馴染みだし」

「あ、そっか、あいつと黒尾って幼馴染みだったな」

「ああ、その関係すら嫌だけどな俺は」



「………く、ろ…」



今、クロ、なんて言ったの…?





『“一応”幼馴染みだし』


『その関係すら嫌だけどな俺は』










その言葉を聞いた瞬間、

俺の中の何かが壊れた気がした。
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