おそ松さん

□今日、君とすれ違った。
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おそ松side




今日もまた、あいつとすれ違った。



物理的なほうじゃなくて、心理的な。



早くこの気持ちを伝えれたらいいのに。



そしたら俺もあいつも、少しは楽になるのかな…なんてな。






‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



「なぁ、チョロ松」

「何、おそ松兄さん」

「それ、いつまで読んでんの?
お兄ちゃん寂しいんだけど」

「兄さんがどっか行くまで」

「いや、俺に構えよ!」

「嫌だよめんどくさい」

「はぁぁ?…ほんっとお前俺に冷たいよな」

「兄さんが馬鹿なこと言うからでしょ」



今、この家には、俺おそ松とチョロ松の二人だけ。

他の奴らはそれぞれ路地裏だの街だの野球だの……

よくまぁ飽きずにやってられるよなぁ、人のこと言えないけど!



そして、二人だけにも関わらずチョロ松は俺と遊んでくれない。
いや、だいぶ前から知ってたよ?チョロ松は俺に対して冷たいってことは。

けどさぁ、今は二人きりなわけだし?もうちょい意識してくれてもいいんじゃない??



……まぁ、あいつは俺のことどう思ってんのか知らないけど。



「……あれ、おそ松兄さんどっか行くの?」

「ん?あぁ、ちょっとコンビニ行ってくる。
ずっとここにいてもチョロちゃん構ってくれないし〜」

「あ、そう、行ってらっしゃい」

「いってきま〜す」








同じ男の、しかも兄弟という関係なのに。








「…なんで、好きになっちゃったんだろうな」






その言葉は、まだ少し寒い外の空気と混じって消えた。
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