おそ松さん
□兄さんのお願い
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「お前、松野チョロ松…だよな?」
「………そうだけど」
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あーあ、最悪だな。なんでこんな日に限ってこいつらと会わなくちゃならないんだよ。
僕が喧嘩弱いの知ってて突っかかってくるんだよね、こんな弱い相手面白くもなんともないのに。
こいつらというのは、学生時代に僕のことを嫌っていた奴等のことだ。
嫌っていた…というより、嫌っているのほうが正しいかな。
だって今、すごい形相で睨まれてるから。
「…僕になんか用?」
「いーや?特に用はねぇけど…」
「お前さ、全然変わってねぇのなー。変わったところといえば…体型ぐらい?」
「相変わらずほっせー体してんなぁ、あ?」
「一応ちゃんと食べてるけど」
「まぁそれはどーでもいいんだよ、殴らせろ」
ホントにくだらない。なんで久しぶりに会って早々殴られなきゃいけないの。
そんなに僕のこと嫌いなのかな。しょうがないか、元から好かれてないし。
「あれ、何も反応しねぇの?」
「…なんか反応しても、どうせ殴るでしょ?」
「よーく分かってらっしゃる、流石チョロ松くん。
……じゃ、こっちに来てもらおうか」
一応警戒はしてるのか、僕の腕をしっかりと掴み引っ張る。
あー、服伸びちゃうじゃん。十四松みたいになっちゃう。
そんなくだらないことを思いながら、奴等について行った。
「…ここら辺でいいか、…よっと」
「っ……」
そこは薄汚れた路地裏だった。まぁ、これからやること考えたらうってつけの場所かな。
「んじゃ、殺さない程度にやるかぁ…」
やっぱ殴られるって怖いな、殺さない程度って言ってたけど殺されるんじゃないかな。
僕はこれから来るであろう痛みにほんの少しの恐ろしさを感じ、目を瞑った。