ハイキュー!!
□知らない内に
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その日から俺は、学校に行かなくなった。
クロも、全然迎えに来ない。
ああ、その程度だったんだなって思った。
「…研磨、部活の先輩来てるわよ」
「………いい、居ないって言っといて」
たまにこんな風に、夜久さんとか山本とか家に訪ねてくることがある。
けど俺は出ない。出るのが面倒。
『“一応”…………』
『………嫌だけどな』
「………っ、うっ……ふぅ…ぁっ」
泣きたくないのに。勝手に出てくる涙。
大切な人に裏切られた俺は、もうあの《孤爪研磨》ではなくなっていた。
………クロ、クロ
俺、寂しいよ
いつもみたいに、迎えに来てよ
ねぇ、クロ
お願いだから……クロ…っ
「…ぅ…、く……ろぉ…」
もう、迷惑なんてかけないから。
嫌な奴じゃなくなるから。
だから、だから……
………まだ、俺の側に居てよ、クロ。
【知らない内に】