捧げ物
□そして、
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「一さん、産まれました。」
“女の子です”
「誠、お前に妹が出来たぞ。」
「僕に?」
「あぁ。」
「僕、兄になるの!?」
「そうだ。優しくするんだぞ。」
斎藤一に、子供が出来た。
1人目は“誠”という名の男の子。
そして、今、その誠の妹が生まれたのだ。
鬼の、なまえとの間に。
「舞桜、という名はどうでしょう?」
「舞う桜、か。良いと思う。」
「じゃあ舞桜だね!舞桜!舞桜!」
「おぎゃー」
“返事したよー!”と笑顔で嬉しそうに言う誠。
彼は、数え年で3つになる。
良くしゃべる男の子だ。
「寝ましたね…。」
誠と舞桜を寝かしつけ、夫婦でまったりする。
この時間は、彼等にとって至福の一時である。
「なまえ。」
「何でしょう?一さん。」
「俺は、本当に幸せだ。」
真剣な顔付きでなまえに向かう斎藤。
そんな彼に対して、彼女は驚きつつも笑顔を見せる。
「私も…私も凄く幸せです。」
うまれてよかった、そう思う
(鬼でも幸せになれるんですね)