EXO庭園物語

□Merry Christmas
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《僕らのクリスマス》


-二ョルド-


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20XX年12月24日



世間はクリスマス一色に染まっていた
もちろん、俺達も世間のうちだ。



朝起きるなり
慌ててクリスマスツリーを用意して

今は
パーティーの為の料理を用意してる最中




「誰か来るの?」


ヨリは嬉しそうに
僕の周りをウロウロしてる


「誰もいないだろ、」


そう、なんせ引っ越したばかりだから
友人や知人を呼べるわけがない


「あ、そっか、、、」

と首元に顔を埋めて
寂しそうな声を上げた


「なに、僕だけじゃ不満なの?」


「んーん、違うよ
でもパーティーって2人だけじゃ…」



広い部屋に飾り付けして
2人だけでパーティーだなんて
確かに寂しい気もする


でも僕は別にヨルがいれば
それでいい

それに

2人だけじゃないんだっ、てことも
今日伝えようと思ってるし



「チャニョル、する事無いなら
ソファに座ってなよ
僕はご飯の用意するからさ」



「やだ、ぎょんすにくっついてる。」


「邪魔しないで」


張り付いてくるチャニョルを
無理やり遠ざけて
僕はキッチンにこもっていた



そして午後5時。

テーブルに並んだチキンに、サラダに
ケーキ達。

二つのワイングラスに
ちょっと高めのワインも用意して

少し早めの夕食の時間。



「ギョンス、俺のためにこんなに沢山作ってくれたんだね」


なんて涙目で感動してるチャニョル



「チャニョルの為だけじゃないけどね
僕も食べるし、」


その次の言葉を言おうとした時に
チャニョルがワインに手を掛けたから
思わず阻止した


酔うと明日には何も覚えていないと思うから。酔う前に話しておかなきゃ。



「チャニョル、話があるの」



え、なに?っと持っていたワインボトルを置いてじっとこちらを見つめてる



「あのね」


「まって、そんな改まるってことは、、、それはいい話?悪い話?」


切なげに不安げに聞いてくる姿は
ほんとにチャニョルらしい。



「あのね、」



「うん、、、」



「クリスマス、来年からは
ほんとにパーティーになるから。
僕とチャニョル含めて四人出席だから覚えておいて。」


「え?」



訳分からん、とでも言いたげな顔




だから、、、


「双子。産んでもいいよね?」


分かり易く、尚完結に、
大切なことを伝えた








人類と医療は
類を見ない速さで進化する

2015年に同性婚が認められてから
数年後の今、
こうして同性で結婚し
妊娠まで出来る世の中になったのだから。




「お前がパパとか
子供たちがかわいそうだけど

僕の旦那さんだし
仕方ないから
子供たちのパパに任命してあげる」



お腹を摩りながらそんな事を言って
顔を上げると


ボロボロと泣いているチャニョルがいた




「嘘でしょ、ギョンス、
ほんとなの?ねぇ、」


前のめりになって問いかけてくる




「ほんとだよ、
僕頑張って病院通ったんだからね」



「ギョンス、ギョンス、ギョンス、」


それしか言わない彼からは
未だに大粒の涙が流れ落ちている



「もう泣かないでよ」


ほら、飲んで、とワインを注ごうとするとその手はちゃにょるの手によって遮られた

「ギョンス、妊娠してるなら呑めないでしょ?なら俺も飲まない

ギョンスと俺は二人で一つだから」



ニコッと笑ったチャニョルの笑顔に
お腹の中が少し動いた気がした



「あっそ、なら飲まなくていい」

自分でも可愛げの無いこと言ってるのは分かってるんだけど照れくさくてこんな返事しかできないんだよ



だけどその事すらも
チャニョルはきっとわかってる



「ㅋㅋ、
ママ、はいあーん」

ぐいっとサラダを口に入れられる



「お腹の中の2人分も
しっかり食べてね?」


「じ、自分で食べれるから」


俺が飲み込むのを
ニコニコしながら待ってるチャニョル




何だかその光景にホッとして、ふっ、
と小さく笑いが漏れると
チャニョルが

「あ、笑った」ってすぐに騒ぎ立てる


「うるさ、、」


ちゅっと唇に柔らかい感触


「ギョンス、最高のクリスマスプレゼントをありがとう」




また少し涙目だから
さぞ感動してるんだろう





「お前からのクリスマスプレゼントは?」


冗談めいて聞いてみると
これまた素っ頓狂な答えが返ってくる



「え、いまのちゅーだけど?」



まぁ、こいつらしいって言ったら
こいつらしいか。



なんて納得してると
またチャニョルのドアップ




そしてそのまま



「んっ、、、っ」

唇の少しの隙間から
ヌルッと入り込んできた舌は

歯列をなぞり口内を犯した



熱を帯びていて
何時にも増して熱いチャニョルの舌に

快感を覚えている僕は…。





チャニョルの舌に沿って
口内に自分の舌を入れ絡めれば

くぐもった声がチャニョルから漏れる


酸素が薄くなりかけたときに
ゆっくりと唇を離した



ツーっと銀の糸を引いてる


それをぺろっと舐め取る姿は
いつになく妖艶で



なのに



子供がいるからできないんだよな…




「酸素足りないと赤ちゃんに悪いから、それにこのままだと止まんなくなっちゃうから…」



そーゆーところ
優しいんだよな






「この続きは
来年のクリスマスにしようね」


「そうだね」







「チャニョル」



「ん?」





「愛してる」





「ギョンス、が、今、俺に、
あ、あ、あ、愛してるって


ねぇ、もっかい言って!!!!!」


「煩い、嫌い」








これが僕らのクリスマス

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