EXO庭園物語

□学校は綺麗で汚く儚い
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コンビニのおにぎりを食べ終わって
これから補習だというとき
タイミングよくパク先生が教室に現れた


「ビョンベッキョン、ごはん食べたー?
これから5時まで補習だからね!」


まだ一時なのに。


物理の教科書を持って現れた
スーツ姿のパク先生。



スーツの上着を脱いで腕捲りをして
一人やる気満々な先生はギョンスの席に座った



「ビョン、他の点数いいのに
なんで俺のテストだけ0点なんだよ
ちゃんとテスト勉強した?」


「え、俺のテスト見たの?」


「うん、見たよ
全部0点なんじゃないかと思って焦ったんだから。」



「何で焦るの、」



「単位落とされると困るし。」



は、なんだそれ



「ビョンだって嫌だろ?
単位落としたら留年なんだからさ
もっと頑張らなきゃ」



「悪かったな、
俺頑張ってないもんな」




なんだか妙にイライラする




「あ、いや、そんなんじゃなくて
満遍なくすれば補習なんてしなくても」



「そうだよな、
俺がもっと勉強して点数とってたら
先生の時間割く必要なかったんだもんな
先生も面倒くさいよな一人のためだけに補習なんてさ。」




なにを浮かれてたんだろ




先生に教えて貰えることを
楽しみにしてた


高校の授業のなかで
パク先生の授業が一番好きだった


難しいけどパク先生の授業だから
周りに笑われるくらい真面目に授業うけてたのに。



馬鹿みたい






いや、俺馬鹿だからさ






「もういいや、追試受けないし
落ちるならそれでいいから。」










先生の字が好きだった


あの低い声で名前を呼ばれるだけで
何だか少し嬉しくて


男相手に…って思ったけど


確信したのはつい最近




バレンタインの日の放課後

パク先生が女子生徒に告白されてた


目撃した俺は動けなくなって
息をするのを忘れてた



泣きながら走っていく女の子とすれ違ったとき


女の子が気になったんじゃなくて
パク先生の答えが気になった




なんて答えたのか



なんて断ったのか




生徒と教師だから?

それとも

彼女がいるから?





あなたは何て言ったの








「ビョン?」

「へ?」

「調子悪いのか?何か目が潤んでるし」




近付いてきた先生が高い背を曲げて
大きな目が俺の目を覗きこむ



その目に映ってるのは泣きそうな俺



「せんせ…っ…」




思わず言ってしまいそうになった言葉を飲み込んだ





「振られたのか?」





そんなこと言われて腹が立ったし
胸が苦しかった



なにも言えなくなった俺は嘘をついた



「先生、調子悪い…」




すでに放課後だったから
誰もいないこの廊下で。




「保健室連れてって…先生」




慌てふためきながらも
先生に支えられて
誰もいない保健室のベッドに寝さされた




「もう下校時間だから送るよ、
仕事終わらせてくるから
少しの間ここで寝てて」




そんなことを言って出ていった先生に
惚れてたのは言うまでもない








「ビョン、起きて、帰るよ?」



普通に寝てしまった俺を起こす先生の顔が思いの外近くて急激に顔が熱くなる


俺、先生のこと、
恋愛対象として見てるんだなって

はっきりと理解したのがこの時。




「熱ある?」
っておでこに触れた先生の手





大きくて、ゴツゴツしてて

大人なんだなって

男なんだなって思い知ったのもこの時。





「先生、さっきの女の子、」


「あー、見てたの?」


自然と口が動いてた

先生は男で、
好きなのは女の人なんだよね



「告白されたんでしょ?」



「まぁね。

でも俺教師だし子供には興味ないしね」



子供には興味ないか。






「そんなこといいから、帰るよ」



先生の車で家まで送ってもらったきり
テストの返却までの1ヶ月、



先生とは話すことはなかった
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