なんでだろう、涙が(ヒロアカ)
□体育祭まであと少し
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「え、お父さん、学校行くの?本気?」
今日も今日とて頭の上から足のつま先まで包帯で覆われた、通称ミイラマンスタイル(命名マイク)で、お父さんはヒーロースーツに着替えていた。
制服に着替えて出かけようとしていた私の隣で靴を履かせろと目線で訴えてくるお父さんに、私は小言の1つ2つ言わずにはいられない。
「こんな大怪我した人が来る方が迷惑でしょ!それにお父さん有給貯めまくってるでしょ!普通に休み取れるから、今日は休んで!」
「嫌だ、行く」
「嘘でしょ。靴も自分で履けない人が何言ってるの?今日は家でゆっくりしてなって!」
私の言葉に機嫌悪そうな様子のお父さんは(顔は見えないけど)靴を履くことを諦めて、靴下のまま外を歩き出す。
「待って!わかった!履かせるから!……でも、絶対無茶しないって約束してよね。あと、残業も絶対ダメ、絶対!わかった?」
「……」
「わかった?」
嫌々頷いたお父さんと私は二人学校に向かうのだった。