なんでだろう、涙が(ヒロアカ)

□USJ
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 「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイトそしてもう一人の3人体制で見ることになった」

 お父さんがいつもの険しい顔で教壇の上からいう。

 「ハーイ!なにするんですか!?」

 「災害水難なんでもござれ。人命救助訓練だ」

 表情から見るに結構楽しそうだ。悪人ヅラして笑っている。

 「レスキュー…今回も大変そうだな」
 「ねー!」
 「バカおめーこれこそヒーローの本分だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」
 「水難なら私の独擅場ケロケロ」

 みんなそれぞれ口々に発言する中で、私は少しワクワクしていた。
 将来レスキューを中心とする活動がしたい私としては、こういう授業はとくに大事に受けたい。個性も使い所多いだろう、きっと。

 「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上準備開始」

 ひと通り言い終わるとお父さんはさっさと教室から出て行く。
 私のコスチュームは活動を限定するものではないし、体操服の長袖は暑いので、コスチュームにすることにした。


 「列を乱さず速やかに乗り込もう!」

 飯田くんの指揮の元、みんながバスに乗り込んでいく。
 出席番号後ろから乗り込んだせいで、出席番号が一番最初の私は、一番最後に乗り込むことになった。

 「空いてる席…」

 バスの中をひと通り見渡すと、奥の方にいくつか空いている席があった。
 でも、女子は奇数人。1人で座っている女の子はいない。

 「轟くん、隣いい?」
 「…ああ」

 轟くんの隣が空いていたからそこに座ることにした。

そして、

バスが走り出して数分後、轟くんは寝始めた。

いや別にいいんよ!!全然!!大丈夫ー!オッケー!でもでも、いいの?歩み寄る努力とかしたほうがいいんじゃないの!?もしかして、隣座ったの迷惑だった?ごめんね!!

私の壮大な脳内の声に切島くんの声がかぶる。

「派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪だな」
「ケッ」

 前の方から大きな声が聞こえて驚く。私は前の会話に耳を傾ける。

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」
「んだとコラ出すわ!!!」
「ホラ」

コントのような会話を梅雨ちゃんと爆豪くんがしている。笑顔でテレビ出演とか爆豪くんするんかな……すごい絵面!
あーわーー、笑ってはダメよ。七瀬!!


「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」
「てめぇのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」

くそ下水煮込みとか……笑ってはダメって、思う前に笑ってしまった。咳払いで誤魔化すが、爆豪くんが目ざとく振り向く。

「アァ!?相澤、テメェ今笑いやがったな!!?」
「笑ってないから……!」
「現在進行形でニヤついてんじゃねーか!」


耳郎ちゃんがすごい迷惑そうな顔してるよ!声大きいんだよ…
 さてはイジられ慣れてないな!苛めっ子だったんだな!

「…うるせぇよ。前向いてろ爆豪」
「チッ。後で覚えてろよ」

起こされて轟くんはご機嫌ななめ。
ほらー、爆豪くんがうるさいから!爆豪くんがうるさいから!!

「起こしちゃった?ごめんね?」

私の気遣いに、

「別に寝てねえ」
「あ、そうなの」

 じゃあ何故目を瞑ってた!
 精神統一?もしかして、私への拒絶?いや違うよね!!絶対精神統一だな!!これからの演習のために集中力高めてたんだよね!
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