なんでだろう、涙が(ヒロアカ)
□はじめまして
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高校生活初日。今日から晴れて高校生だ。全然実感わかないけれど、少しわくわくする。
新しい制服に身を包み、ネクタイを絞める。スカートのプリーツを綺麗に揃える。
お父さんは昨日は帰ってこなかったので、戸締りを済ませ無人の家に行ってきますと言い残し、私は家を出た。
校門を通り、少し迷いながら教室に向かうと何人かすでに席に座っている人がいた。クラスメイトになるのかな。知り合いは一人もいないから、そわそわしてしまう。
「そこの君!」
大きな声で声をかけられ、見ると眼鏡をかけた背の高い男の子だった。見知らぬ人である。
「えっと・・・」
「僕は、私立聡明中学出身、飯田天哉だ。君、ギミックから女子を救出していたな」
「ああ・・・そうですけど」
彼は私に対してとても好意的にあの時のことを話してくれた。しかし、試験の構造が云々、話が長い。途中から聞くのを諦めた。でも、彼がとても真面目でいい人だということが分かった。
とりあえずは愛想よくしておこう。と思い、自己紹介をしてあたりさわりなく会話をする。
「ちょっと、失礼」
飯田くんが私に手をあげて、奥の方に座っている男の子の方に歩いていく。
何だろう。知り合いかな。
「机に脚をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」
「思わねーよてめーどこ中だよ端役が!」
うわ、面倒くさい。だめだ、私にも父の合理主義移ってる。
私は巻き込まれないように、自分の席に座ることにする。存在感を消さないと。
そこにあのギミックを倒した男の子と瓦礫の下にいた女の子が教室に入ってくるのが見えた。何だか仲が良さそうだ。受験の時の話でもしていたのかなぁ。
と、ぼんやり眺めていたとき、
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」
聞き覚えありすぎる声が聞こえたのだった。