BRAVE10

□第弐話
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(……ヒマだ)

あのオッサンの口ぶりから何か起こんじゃねぇかと思ってたが…

「なぁんもねぇ。ここ数日」

忍もあれ以来姿を見せねぇし、斎田も忙しいと手合わせもできてねぇし

いや、一度だけしたな確か

俺以上に強いか互角くらいのあの腕前、斎田は本当に忍なんだと改めて知らされた

でもあれ以来姿すら見てねぇしなぁ…

こんなゆっくりした時間を過ごすのは初めてだ





いつだって闇の中で息を殺し、生きてきた───





──そういう生き方しか知らない…





「───身体……なまっちまうなぁ…」

才蔵は一人、屋根の上で鳥達に餌を与えていた

そんな時、廊下を歩いていた女性二人が話し出す

「もう二十人だって!!」

「本当に!?気味悪いわね!」

「なんでも大蛇が人を生きたまま飲み込むんですってよ!」

廊下を歩きながら更に女性達は話を続ける

「昼間も出るから米の収穫がままならないって村から直訴状が幸村様に…」

「幸村様に!?……大丈夫かしら?」


女性達はまだ話していたが、才蔵はうわばみと言う言葉と同時に忍集めの笛を聴いた瞬間に屋根の上から直ぐに姿を消した

(こりゃなんかあるな!!)






一方その頃

「──つうわけで、おまえらに里に出没しているうわばみ退治を命ずる!このままじゃ米を上納してもらえん!」

一つの部屋にアナスタシアと猿飛左助と斎田皐月に他数名の忍が集まっていた

「食いっぱぐれのはゴメンだ!」

なんだか主がかなり必死に左助に言っているが、アナスタシアの言葉に皐月は「ああ、なるほど」と納得する

主も女遊びのことで図星を付かれていることに顔がひきつっていた

純粋な左助は……うん、面倒くさいから放置で

皐月はふと、気配を感じて其方に振り向く

すると案の定と言った所か、嬉々とした才蔵が現れた

「俺も行くぞ!久しぶりに身体、動かせそうじゃねぇか!」

「…はぁ、」

「あ?なんだよ斎田。そのため息は」

「否!これ 我らの仕事!」

「まぁまぁ一緒に連れてけ。邪魔になることはあるまい」

「俺の仕事が増えた…」

「なんだよ?別にいいだろーが。それに退屈しのぎにはちょうどいいんだよ!」

なんだか何を言っても無駄のようなので皐月は仕方なく承諾した

……というより黙り込んだだけだが

「じぁあ私と組みましょうよ、才蔵。左助の奴、私が伊賀出身だってだけで毛嫌いすんのよ!」

「俺も甲賀者は好かん!」

「……どっちもどっちね、アンタたち…;;」

そんな時、ヒヤリと冷たい視線を感じて皐月は感情はないが顔が”呆れている顔“になり、才蔵はその視線の先をみた



 
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