鎖に縛られし蝶
□六話
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「……そう言えば、猫の名前に意味はあるんですか?」
突然、松本がユウをジッと見つめながら僕に話しかけてきたので「ん?」と同じくお茶を啜っていた僕は聞き返した
「ですから、名前の由来ですよ」
「…ああ。ユウを拾った日が雨だったから”ユウ“ってした」
「……本当にそれだけですか?」
ちゃんと答えたのだが、松本はそれでは納得してないのか不満な顔をした
…なんだ?
疑問に思いつつ僕は頷いた
「そう、ですか…」
「なんだよ?今更不満言っても無駄だぞ」
「いえ…そうじゃないんですけどね」
肩を落とした松本は、ゴソゴソと何処からか一冊の本を取り出した
…というより、マジでどこから出した;;
疑問はさて置き、松本は僕に表紙が見えるように机に置くと眼鏡をまたクイッと軽く持ち上げた
「…みて下さい。今日新刊が出たんですよ」
「あー、コレな;;」
松本が取り出したのは、漫画で二十巻と書いてあった
そこには” D.Gray-man “というタイトルが書かれていて、松本のバイブル的な本である
ユウはチータラを食べ終えて満足げに床で伏せている
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