鎖に縛られし蝶
□四話
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「ユウ?どうした??」
ツナを乗せた皿を持って部屋に戻れば、何故かベッドの上にいてジッと此方をみているユウがいた
ただただジッと見つめてくる瞳には、何かを訴えてくるような感じがあった
「……もしかして、窓ガラスに近寄った?」
僕がなんとなく感で言ってみると、ユウはピクリと耳を動かした
それはつまり、図星の合図だというように明らかだった
「……”絶対“っていったじゃないか…」
けれど僕は、怒るでもなく呆れたようにでもなく、ただ柔らかく諦めたように苦笑いをした
「……フンッ」
そして、そんな僕に対してユウはまるで”知るか“というようにそっぽを向いて鼻を鳴らした
「まぁ、別にいいんだけどな。でも、これでなんとなくでも分かったろ?……僕の周りは危険だ」
僕の周りはいつも危険と隣合わせで、怪我だってするし下手をしたら死だってある
だからって訳じゃないけど、僕は何かを”飼う“事をしなかった
情がわいて大切になってしまえば、僕はそれを守らないといけない
けれど全てを守れる程、僕は強くない
「……僕には、全てを守れる程の強さが無い。だから、ユウを狙われたりしたら守れるかなんて分からないんだ」
机にツナを乗せた皿を置くと、僕はゆっくりとユウのいるベッドへ腰を下ろした