鎖に縛られし蝶

□三話
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リビングまで来ると僕はあることに思い出した


「……あ、ユウに飯やらないとだった…」

「ユウ?」

「ん?ああ、昨日拾った猫の名前だよ」


ちゃっかり着いてきていた松本さんにそう言うと、少し珍しいという顔でみられた


「稜凪様、ちゃんと名前付けれたんですね」

「…松本さん、アンタちょいちょい失礼だな」

「ハハハッ冗談ですよ」


そう言ってニッコリと笑う松本


だから、その笑顔が冗談で言ってねぇ顔なんだって!松本さんよぉ!!


僕は気付かれないように心の中でツッコんだ


「そんなことは置いといて、昨日あれから大丈夫でしたか?猫」

「(それよりって…)ああ、そうそう。松本さんに報告しようと思ったことがあったんだよ」


僕は昨日の出来事を全て松本さんに話した

すると案の定といって良いほどに松本さんは驚いていた


「珍しいこともあるんですね」

「“俺”もビックリしたわ」

「でも、蕎麦だけだと栄養的に偏りますから朝はツナ缶をあげて下さいね」


そう言って渡されたのは皿に移したツナ缶のツナだった


「おっ、コレならユウも食えるかも。アイツ、キャットフードっつったら嫌な顔したからなぁ」

「そうなんですか?なら、キャットフードはやめておきましょうか……あとは何が…」


なんか自分の世界に入った松本さんに僕は苦笑いをした

なんやかんやいって一番気にかけてるのは松本さんかもしれないと思ったことは内緒だ


さて、アイツはこの皿の中にあるツナを食べてくれるかな?

いや、もう無理矢理にでも食わそうか


そんなことを考えながら僕はユウの待つ部屋へと戻った
 
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