TL18禁

□禁断の果実
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「千夏ちゃん、お兄さんにこれ渡してくれる?」
 大学の渡り廊下で、千夏は見知らぬ女子大生に手紙を渡された。
 振り返れば、ロングヘアのやたら化粧の厚い女が友人と2人立っている。
「はい」
 渡された手紙を手に、千夏はにっこりと微笑む。こんな事は、中学に入った頃から頻繁に有り、千夏は深い溜め息を零す。
「あの千秋助教授、メールくれるかな〜」
「大丈夫だって、妹の方に渡しておけば間違いないからさ」
 女子大生達が去り際に話し合い、遠ざかって行く。
「そう。安心してね」
千秋は手紙を手に焼却炉へ行き、渡された手紙を放り込む。
「お兄ちゃんは私の者よ〜だ」
 千秋はバイバーイと焼却炉に手を振って、踵を返した。
 今夜は人生最大の、計画実行の夜なのだ。
千秋は携帯を鞄から取り出して、大切な番号を呼び出した。
 それは2コールで繋がった。
『もしも〜し』
 いつものおちゃらけた声。千夏は腕時計を見て背後の校舎を見上げた。
「お兄ちゃん? 今日は全体夜家に居る約束、覚えてる?」
『千夏? 覚えてるよ〜母さん達旅行だろ? 大丈夫だって、ちゃんと帰るから』
「うん。千夏カレー作るから早く帰って来てね?」
『楽しみにしてるよ。帰りケーキ買って帰るからな』
 まるで新婚のような会話に、千夏は胸がくすぐったくなる。
 千夏は携帯を鞄にしまうと足取りも軽やかに大学を後にした。
「たっだいま〜」
「おかえりお兄ちゃん」
千夏はミニのフレアスカートに、肌が露出したタンクトップ姿。
 千秋はケーキの箱を手に、暫し固まった。
「…裸エプロンかと思った」
「お兄ちゃんのエッチ」
 千夏はケーキを持つ手に顔を寄せ、千秋を上目使いに見上げる。
 千秋の視線が胸の、しかもしっかりと見える乳首に止まる。
「母さんが居たら叱られてるぞ?その格好」
「旅行で居ないから良いの! ねえケーキなあに?」
「イチゴのショート」
「イチゴ頂戴!」
 千秋は苦笑しながらも、千夏にケーキの箱を渡して、浴室へ向かった。
「お兄ちゃん、お◯◯◯◯経ってた」
 スラックスの前が、モッコリと大きくなっていた。千夏は額唇が濡れてくるのが解り、乾いた唇を舐める。
 千夏は浴室まで行き、ガラス戸を叩いた。
「お兄ちゃん、相談が有るから、早く出て来てね?」
「あ…ああ」
 水音をさせながら、千秋が答える。千夏は微笑んでリビングへ急いだ。
 千夏はエプロンを外して、丈の短いバスローブを着た。
 ブラは最初から身に着けていない。ショーツもわざと脱いだ。
 浴室から出る音がして、千夏はソファに座る。
 眼の前のテーブルには、千秋の買って来たイチゴのショートケーキ。
「…千夏?」
 バスロープ姿に、千秋は双眸を見開く。
「お兄ちゃん、あのね? 相談が…有るの」
 千夏は隣に座ってと促すと、千秋は千夏の隣に腰を下ろす。
 肩まで伸ばした茶色いロン毛。二重に厚い唇。近所でも評判の好青年。千夏の自慢で大好きな兄だ。
「相談て?」
 千秋は視界に入る千夏の白い脚を一瞥し、台所を見る。カレーの良い匂いがする。
「あのね? 千夏の彼氏の事なの」
「…彼氏?」
「うん。最近、様子が変なの」
「変って?」
 千秋はグラスに入った水を口に運ぶ。
「彼最近エッチしてくれないの」
「ぐっ!? ごほっげほ」
 千秋は蒸せて咳き込み、千夏を見た。
「はあ?」
「私、身体可笑しいのかな!? こんな事、怖くて他に相談出来なくて…お兄ちゃん」
 千秋は呆気に取られ、千夏を上から下まで見下ろす。
 兄馬鹿だと思うが妹は可愛い。
 一回り以上離れた可愛い妹だ。
そして、官能的な身体の持ち主だ。生唾が溢れる。
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