☆アメバで作った短編
□八雲×奏
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「八雲先輩!」
「おぉ!奏かぁ」
「『奏かぁ』って何ですかぁ!」
「あっ。いやぁ……」
「もう、しりません。」
いつもの、茶番。なぜか、こんな事やっても負けてしまう。いつものように彼は、俺を優しく包み込む。
「あぁ、分かった」
「えっ?」
思わぬ言葉に俺は泣きそうだった。
・
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あの日から八雲先輩とは触れてない。俺は、寂しい気持ちでいっぱいなのに、先輩は、先輩は、俺がいなくても、もしかすると、俺がいなくても大丈夫なのかもしれない。
溢れ出す涙を堪えながら、屋上に走った。
「ふぇ…っひぃっく」
たまってた涙が、風と共に流れていった。
「八雲っ…しぇんぱい」
「奏?」
あの人の声が聞こえる。また、夢なんだって。夢なら覚めろ。
「奏?」
俺の背中に、先輩の体温が伝わってくる。
「先輩。俺を捨てないでくだしゃい。おれを捨てないでください。」
「奏、それは勘違いだよ?俺は、奏を捨てるわけがない。こんなに可愛い子捨てるわけがない。」
「八雲先輩。」
チュッ
軽いキス。ただ、音が自分の心を高くなびかせる。