bbsA
管理人達によるリレー小説(なり茶)掲示板です!
CPは色々節操なく
[レス書込]
10/10(Wed) 16:03
朱音
男鹿が学校に来なくなって3日が経とうとしていた。古市は心配で仕方なく、毎日学校周辺を探していた。
「あーーー!今日もいねぇ!」
家に帰り。部屋で叫ぶ。
「何なんだこのモヤモヤは……これじゃあ俺が男鹿を………男鹿を………」
恋しいと思っているかのようで、恥ずかしくなる。すると
ドンドンッ!ドンドンッ!
玄関を叩く音がする。インターフォンあるのに鳴らさないのか?なんて不思議に思っていると。
『キモ男!私だ』
ヒルダの声だ!古市は慌てて玄関を開ける。
「どうした?!」
「ドブ男が!」
「男鹿がどうした!?」
「ちょっと付いてこい!」
着いたのは近くの公園だった。ヒルダの向かったのは公園の茂みの方。へ〜この公園こんなところあったのか。と、ちょっと感心したが……
「こっちだキモ男」
「あっ!はいスミマセン」
そこには横になって目を閉じヒューヒューと鼻で息をする音が聞こえる。しかしベル坊は泣きそうな顔をして男鹿を見て古市を見付けると泣きながら寄ってきた。
「血壊病だ、あの後ドブ男は責任を感じてお前から離れた。しかし一度体に合う血を飲んでしまうと他の人間の血は不味く感じるようになっている……コイツは渇きが来る度違う奴の血を飲んだ、飲み続けた……その内体に発疹が出始めて合わない血を飲み続けたせいだ体が完全に拒絶反応を示して血の中の細胞が壊れていく病だ」
「そんな……男鹿!男鹿!」
地面(草の上)に横たわっている男鹿の身体中至るところに赤い発疹が出来ている。
やだ。男鹿を失うなんて。やだ。
「俺の血なら幾らでもやる!何なら契約だってなんだってしてやる!男鹿を死なせたくない……」
涙がこぼれた。
すると男鹿が微かな古市の匂いを感知して目を覚ます。
「馬鹿、古市何、で来た?」
ゼェゼェと肩で息をしている。余程苦しいのだろう。
「発疹が服に擦れて痛いのだろう」
「馬鹿はお前だ男鹿!俺は、俺は……お前が好きだから!心配で心配で」
「!!」
すると古市は男鹿の上半身を起こすと、
「俺の血が良いなら幾らでもやる飲め!」
と首筋に顔が来るように抱き付いた
[削除]
12/19(Wed) 01:36
(続
妹八
途端に男鹿の鼻先を掠める美味しそうな匂い。
古市の首筋にさらりと銀色の髪が流れ、つい生唾を飲み込んだ。
「…ぃ…っ」
柔らかな肉を貫ぬくと待ち兼ねた味が口いっぱいに広がって、男鹿は夢中で噛み付いた。
それだけであんなに辛くて痛くてしんどかったところから、何となく力が戻ってくるような気がした。
でも今度こそ、古市を傷つけたくなかった。
「…ぁ」
自分の状態が楽になって行けば行くほど男鹿は、必死に痛みをこらえる古市が変に力が入って震えてるのが分かった。
そっと口を離すと首筋から止まりきらない一筋の赤い液が漏れた。
それを止血の意を込めて綺麗に舐めとってやる。
「ンっ」
「!」
妙に甘ったるい声が横から聴こえて視線を向けた。
照れて真っ赤な顔をした古市と目が合う。
「んだよ…お前まだぼーっとしてんじゃねぇの?」
「…してねぇ」
照れ隠しに言い捨てた古市が妙に可愛い気がして男鹿は見つめ合った視線を外せずに、つい舌先で自分の唇を舐めた。
その行為をどう捉えたのかは分かりかねるが、古市は驚いた風に目を見開く。
うっすらと開いた古市の唇に吸い込まれるように男鹿が身を乗り出したその時だった。
「貴様ら、イチャつくのはいいが私と坊っちゃまの与り知らぬところでやってくれないか?」
「!!??」
すっかり頭から抜けていたヒルダの声に慌てて離れる2人。
「あ、あー…あの、あー…」
すぐに何か誤魔化そうとして口をパクパクさせた古市だったが何も言えずに沈黙した。
むしろさっきのは男鹿の方が積極的じゃなかった?と睨み付けたが当の男鹿は頭を掻くだけ。
「…あ、あのさ。お前、なんだか分かんねぇけど、俺の血しか飲めないんだろ?だったら、もういっそのこと、俺と契約したら早いんじゃねぇの…?」
しょうがないので一呼吸あけて古市は意を決して男鹿とヒルダに、思っていたことを告げてみた。
返事がないまるで屍のようだ。
なんだか怖くなって目の前の2人の様子を交互に見やる古市。
「そしたら古市お前、俺とおんなじバケモンになっちまう」
ややあって男鹿がゆっくり口を開いて弱気なことを言い出した。
「バケモンて不老不死のこと?別に気にしてないし…。そもそも、お前の事バケモンだと思ったことねぇけど?」
「!」
真っ直ぐ自分に向けられたその古市の眼差しに、頬が緩みそうになった男鹿だった。
[削除]
01/17(Thu) 14:59
朱音
「ヒルダ」
男鹿がヒルダに声を掛ける。
「なんだ」
「俺、古市と契約するわ」
「まぁ仕方あるまい」
通常、緊急時を除いてのヴァンパイアとの契約にはそれなりの手順があるらしく、その事を良く覚えていない男鹿はヒルダにやり方を訊く。
「契約の陣の書き方が解らねぇ」
「〜〜〜はぁ、なんで私はこんな男の手助けをしてやらねばならぬのだ」
「ダブッ!」
「陣?」
「あぁ、緊急性のないときの契約の場合契約は陣を書いてその上で行うのだ」
仕方なしにヒルダが棒を拾ってくると公園の真ん中に陣を書き出す。昼間じゃなく西にすっかり日が沈んで公園には男鹿達しかいない。少しホッとする古市。
「こんなもんだ、お前達陣の真ん中に立ってキモ男はドブ男から血を受けとれ」
「血ぃ?」
「あぁ、ヴァンパイアと人間はそうやって契約の契りを交わすんだ」
「なるほど……」
納得すると男鹿と古市は陣の真ん中に立つ。そして男鹿は自分の手首を噛みじんわりと血が垂れてくる。
「良いぞ、古市」
「じゃ、じゃぁ……」
ゴ、クッ……。
少し躊躇いながら古市は男鹿の血を舐め取る。すると陣が光り消えていった。
「な、何が起きた?」
「終わったんだよ」
「あぁ、キモ男晴れてお前は人間ではなくなった、ヴァンパイアの餌だ」
「餌って言うなよ」
男鹿がヒルダを怒る。
「ホントの事だろう?」
「そうか……俺人間じゃなくなったんだな……」
両手を見つめてグーパーグーパーってしてみるが実感がない。体に変化がないのだ。
「あぁ、キモ男は不老不死でドブ男が死ぬとき一緒に死ねるだろ」
あっけらかんに告げるヒルダに眉毛がピクリと動いた。
[削除]
03/13(Wed) 23:59
(続
妹八
「あー、あ。俺、これからスーパーモテモテ人生を歩んで選り取り見取りのハーレムを堪能したあと、可愛いお嫁さんもらって可愛い娘と息子に恵まれて、将来は大家族になって孫達に看取られて死ぬはずだったのになー」
「なんだそれ」
腕を広げてわざとらしく告げる古市に、男鹿はまったく理解してない顔で視線を投げかける。
「俺の人生設計だよ!こーなるはずだったの!」
「途中かなり最低だぞ」
「うるせぇ!男の夢だからしょーがねぇだろ!」
男鹿の突っ込みに古市は噛み付くように前のめりになった。
だが、別に本気で駄々をこねている、わけでない。
「お前と契約したから死ぬ時までお前と一緒か…」
「あ?」
「散々っばら俺を巻き込んだんだ、せいぜいその責任を取り続けろ!ばかおーが!」
そう指を突きつけて叫ぶ古市は、眉根を寄せているが口元はどこか笑っているようにも受け取れた。
一瞬驚きに目を開いた男鹿も、ふと口元が緩んだ時。
「……つーか、巻き込まれたのは俺の方じゃね?お前と不良どもの喧嘩によ」
「ぅっ!そ、それは…じ、じゃあ、おぉ…お互い様???ってこと…、でッ?!?!」
予想外にイタイところをつかれて、途端にへらへら笑いながら後退る古市の右腕を男鹿は力強く引き寄せた。
「だからお前もセキニン?取り続けろ」
にんまりと意地の悪い笑みを浮かべて古市を見下ろす男鹿。
眼前に広がる男鹿の顔に、古市が色んな気恥ずかしさを感じて真っ赤になっていると、2人の背後にベル坊を抱えて立ったままのヒルダが言った。
「貴様ら、さっきから周りが見えないのは結構なことだが、私はくだらん人間界のいざこざはごめんだぞ」
「へ?」
人間界のいざこざ?
と古市と男鹿、ヒルダの方へ振り向くとその背後には無数のイカツイ不良共が立っていた。
「おい!てめぇら、西高の頭ぶっ潰したんだって??古市と、男鹿っつったっけ?」
不良共の中心と思われる男が汚い笑みを浮かべて地べたに座る2人を見下ろしている。
ヒルダはと言うと、知らぬ間にベル坊を連れてこの場を離れていこうとしている。
「あ?誰だよお前」
「やべぇ、高島潰したことになってる…てかなんで俺も?!むしろ俺殴られた側!!」
「なんでもいいけど、俺らの相手もしてくれや」
話の通じそうにない不良共。
男鹿の陰で震える古市をそっと隠して男鹿はニタリと笑った。
「いいぜ。俺ぁ今ぜっこーちょーだからよ」
[削除]
05/14(Tue) 15:46
朱音
「良くねーよ!逃げるぞ男鹿!」
焦って、古市は男鹿の手を引いて逃げようとする。しかし男鹿は動こうとしない寧ろ後ろに隠れてろ的な感じにシッシッとされてしまう。
「俺ァ今アドレナリン出てて暴れねーとこの熱は治まらねーな」
好戦的な男鹿に古市はおずおずと不良達を見る。6〜7人は居るだろうかもう暗くなりつつあり目視では街頭の下に居るその人数しか解らない。
「ほらほらかかってこねーならこっちから行くぜ?人間さんよ」
「ふざけんな!やっちまえ!」
『オーッッ!!』
と、雄叫びをあげ暗闇で男鹿が不良どもを蹂躙している気がする何故なら男鹿が笑っていて不良どもの苦しむ声が夜の公園にこだまする。しかし……
「男鹿ぁ!!これを見ろ」
「!」
「なっ、テメッどこから!」
どうやら不良が古市の後ろに回り込んでいたらしく古市に刃物を突き立てる。
「……」
「……」
「シ!シカトしてんじゃねー!テメーも人質らしくしろ!」
「それで俺を脅してるつもりなら検討違いだな、刺せるもんなら刺してみろ」
「ひどっ」
「はぁ……古市、オメーもぅ人間じゃねーだろ……」
「あっ!そっか」
前と全然風貌が変わらないから自覚があまり無い。が、ニンゲンではない。刺されても平気なはずだ。
「俺ァ!マジだぞ!」
「だから刺してみろって」
「別に良いぞ?俺もどうなるか気になるし」
「はあ???!!!」
その間も男鹿は仲間の不良を倒し続ける。古市を人質にとっていた不良も怒り、古市の腹に刃物を突き立てる。
「さ、刺すぞ!」
「「どうぞ」」
「ふざけるなぁぁああ!」
見事にハモった。不良は真面目に刺さないと思われていると思い舐められていると思い……次の瞬間
ザクッ!
と、深々と刃物を古市の脇に刺す。古市の血が刃物を伝って地面にポタリと落ちる。
「あっ……あははははっ!ど、どーだ!!」
「いっ……たくない」
脇に残された刃物を抜いて地面に投げ捨てる古市。血は出たが一瞬チクッとしただけで痛みはない。服を捲ると傷はもぅ塞がっている。
「はあ???ど、どどどうなってんだ!」
「どうなってってどうもこうもこんな体で悪かったな」
「ヒッ!」
恐ろしくなりその不良は逃げて行った。
「ったく、もったいねーな」
気付いたら男鹿が近くにいた。そして首に牙がチクッとする痛み。
「うめぇ」
「男鹿も大概だな…(笑)」
おかしくて笑ってしまった。
[削除]