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管理人達によるリレー小説(なり茶)掲示板です!
CPは色々節操なく

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09/07(Fri) 15:20
(続
妹八

「大体貴様は、」
「うるせぇなぁ、」
「ァ、ァゥ…」
放って置こうかと思ったが、男鹿の背中でオロオロするベル坊とかち合った古市。
「あの、2人共、そろそろご飯食べません?昼休みも終わっちゃうし…なぁベル坊、」
古市の助け舟にベル坊が泣きそうな顔して見上げてきた。
男鹿とヒルダも近づいてくる古市に視線を投げたかけた、その時だった。
「きゃーーーーーーーーーーーー!!!」
あたりをつんざくような悲鳴が響き渡った。
校庭からだ。
「! 男鹿!あれ!」
慌てて鉄柵に駆け寄った古市が指さす先には、短ランだの長ランだの思い思いの学ランに身を包んだいかつい男たちが押し寄せてくる様があった。
「なんだあれは?」
事情を知らないヒルダが眉根を寄せて校庭を見下ろす。
「さあ?」
「いや昨日の高島だって!お前は覚えてろよ!!」
すると不良集団の中心が割れて、校門の前に高島が現れた。
「オイコラ!!!古市!!!テメェいるんだろうが!!!」
「…おい、キモ男。名指しだぞ」
「あああああああ!!!あの野郎!!!!どーしてくれんだ!!俺の平穏ラブラブ学園生活が!!!!」
「どこにラブがあったんだよ」
古市が鉄柵に手をついて縮こまる。
その間も高島率いる不良集団は周りの生徒たちを脅して回っているようで、悲鳴が上がりっぱなしだ。
飛び出していった教師も返り討ちにされなすすべ無しと言った様子に、男鹿が動いた。
「しつけえ野郎だな…行くぞベル坊」
「ダ」
「え?行くって…?」
男鹿の言葉に古市が顔を上げる。
迷いなく鉄柵を掴む男鹿。
「え?ま、まさか…」
そのまさか、男鹿は鉄柵に足を掛けた。
「おいバカ!!危ねぇ…」
しかし古市が立ち上がるより早く男鹿は飛び降りる。
すごい勢いで落ちて行く男鹿。
しかし地面スレスレで重力が消えたかのように止まった。
「え?えええ??どゆこと??」
「ヴァンパイアは飛べる問題ない」
困惑する古市を脇目にヒルダが言い放つ。
「あ…そっか…なるほど…」
「ふむ。ここからだと様子が分からんな。私も行こう」
「はい?」
今度はヒルダが鉄柵に立った。真っ直ぐに。
「え?ひ、ヒルダさんも飛べるんスか…?」
「飛ぶ、とは少し違うがな」
そう言ってヒルダは片時も離さなかったゴスロリ調の傘を開いて飛び降りた。
「ぎゃぁー!マジかよ!!ちくしょーーー!!!」
古市も踵を返して階段を降った。

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09/16(Sun) 15:43
朱音

「ちょうどいい、こちとらゴスロリ悪魔のせいで苛々してたんだ」

パキパキと指を鳴らしながら高島他不良に一人で向かっていく。

「昨日のお前か!ここの生徒だったのか!なら古市と一緒になぶるだけだ」
「(ひぇ〜“なぶる”なんて恐ろしい言葉テメーが使うと実現する未来しか見えねーよ)」

やっと校門の前で対峙している男鹿を追ってきたんだが明らかに自分に出来ることなど少なくてどうしたら良いのか解らなくなる。

「暇、してるなら相手になってやるぜ?人間!?」
「ダブッ!」

指でクイックイッと高島を挑発する男鹿。

「この間は油断したが、今日は仲間ちゃぁんと連れてきてるから!付き合って貰うぜ」

すると不良達が我先にと男鹿に襲いかかる。男鹿は掛かってきた不良をひらりとかわし、溝内にパンチを食らわせる。

「かっ、は、……」
「おっと手加減したから死ぬなよ?やっぱ人間はよえーな」

溝内にパンチを食らわせた相手が白目向いて泡を吐いて倒れる。その姿に一瞬たじろぐ不良だが。後ろには男鹿より怖い高島がいる。そして今度は鉄パイプや金属バッドをもった不良が襲ってくる。

「おっと、当たらなきゃ意味ねーわな」

鉄パイプや金属バッドの間を泳ぐようにすり抜けて次々不良を倒していく。

「ダーーっ!ブッ!」

男鹿のヒラヒラと舞う制服の肩にくっついているベル坊。半ば振り落とされるのではないかとハラハラする古市。それはヒルダも同じだったようで……

「ドブ男!坊っちゃんに何かあったらしょうちしないからな」
「そこは男鹿の心配じゃないんだ!?」

古市が突っ込むもヒルダは涼しげな顔をしている。

「私はドブ男の心配等いつもしていない」

ーーー心配無いくらい男鹿が強いと言うことに繋がるのでは無いかと思った

「(俺も男鹿とそんな関係築けるようになんのかな?)」

なんて事が一瞬頭を過った。

「後は、あんた一人だせ?人間?」

いつの間にか不良達はみんなのされていて男鹿は高島を指差す。

その時

「カッ……っ!」

男鹿の様子がおかしい。
目が霞み焦点が合わない。喉が渇く。

「不味い!今ので大量の血を使ったんだ!予想よりも渇きが早く来てしまった!」
「えぇ!?」

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09/18(Tue) 00:58
(続
妹八

「なんだか分かんねぇけど…チャンス!」
突然フラついた男鹿に高島は勢いを取り戻し、男鹿の胸ぐらを掴んで投げ飛ばす。
「男鹿!」
古市の声が遠くに聞こえ、背中のベル坊を庇いながら地に伏した。しかし起き上がれるほど気力が湧かず激しい目眩に襲われる男鹿。
「古市ぃ、あとはテメェだけだ!」
男鹿を心配して駆けつけようとした古市だったが高島はそれを許さない。駆け出した古市にすぐに追いつき頬を殴りつけた。
「ふ、るい…ち…」
目眩の中、辛うじて視界に映った古市の様子に呻く。しかし2人には届かない。
「おい、古市、2人仲良く地面に寝てな!」
倒れかけた古市の胸ぐらも掴み上げて高島は言う。瞬間古市も軽々と投げ飛ばされた。
「うわぁ!?」
古市の体は思い切り男鹿に被さるようにぶつかった。
「痛ぇ…口切った…あ、男鹿!大丈夫か?!」
ぽたり…古市の口元の血が男鹿の口元に垂れた。本能的に舌で拭い取る。
「ん?男鹿?」
この味…この力…吸い込まれるように古市を乗せたまま起き上がる男鹿。
ちゅ…ベロリ。
「ん、むっ!?」
男鹿の動きを理解する間も無く、口元の血を綺麗に舐め取られた。
「お、男鹿?」
薄々嫌な予感はしているが男鹿は何も答えない。古市が生唾をゴクリと飲んだその時。
「い、痛っっ!!」
首筋に思い切り牙を立てられた。凄い勢いで血が吸い取られて行くのが分かり、古市の視界が白んでいく。せめて抵抗しようと必死に男鹿の背中を引っ掻いたが男鹿は止まらない。
「ァゥ…」
「!」
不安そうに古市の顔を見るベル坊と目が合う。
きっとこの状態を怖がってるんだと古市は思った。
「ベルぼ…ぅ、大丈夫、大丈夫だよ」
男鹿も俺も。と言う意味を込めて弱々しい右手で男鹿の背中のベル坊を撫でる。古市が意識を保っていられたのはそこまでだった。だらりと腕が下がり、驚きにベル坊の目が見開かれる。
「ァ…ダゥ」
今にも泣きそうな赤ん坊の体に稲妻が走り始めた。その稲妻の刺激で男鹿が古市に噛み付くのをやめた。ゆっくり高島を見上げる男鹿、その表情は正気か正気でないかを測るにはまだ凶暴すぎる。
「ダーーーーーーー!!」
「ぎゃぁぁ!!!」
男鹿の視線に導かれてベル坊の稲妻が高島へと放たれた。その稲妻は今までの癇癪とは比べ物にならないほどの量で高島はすぐに倒れる。
「これは…」
その予想していなかった光景にヒルダは目を細めた。

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09/27(Thu) 20:53
朱音

「か、はっ……稲妻って、あり…かよ」

黒焦げになって高島が倒れる。校門の辺りにデカイごみの山が出来たなと言う風に男鹿は

「生ゴミが増えたな」

と、口の端に付いていた古市の血を舐めとる。やはりそれは甘美な味がしてこの味を知ってしまったなら他の血には見向きも出来そうになかった。

「ドブ男!」
「なんだよ、」
「気絶させてどうする!人間どもは血が足りないと輸血と言うものをすると聞く!古市に違う人間の血が混じってもいいのか!?」

ヒルダの言うことは確かだ。だが輸血が必要なくらいは飲んでないはず。と倒れている古市に目を落とす。

「……ぅ、ん……」

顔色は良くないが意識はあるようだ。男鹿はホッと胸を撫で下ろしたが流石に地面に寝かせとくのもな……と思い。

「確か保健室ってのがあったな」
「さっさとキモ男を寝せてきてやれ!私はここにいる」

どうやら見張りをしてくれるようだ。あくまで見張りだが……。

「ったく!人間は脆いな!」

古市を姫抱っこして立ち上がると。

「ならば契約して、そいつも不死身にしてやればいい、お前の餌としてな」
「…………るせ」

流石にこの場では決められない。男鹿は古市を抱き抱えたまま校舎内に入っていった。

「……ふん、あまちゃんめ」

とヒルダが皮肉を口にしていたのは黙っておこう。

保健室………。

「ん、ここは?」
「あら、目が覚めた?」

そこには男鹿の姿はなく。保険医が椅子に腰を掛けていた。

「あ、あの!俺はどうしてここに?男鹿!赤ん坊を連れたヴァ…人は来ませんでしたか?!」
「貴方ねぇ、先ずは自分の心配しなさい…校庭で激しい喧嘩あったみたいね、その時にコイツもやられたって言ってたわよ彼?外傷は打撲だけなのに血の気がないのよ〜何かあったの?」

そう言えば!と思い首筋を噛まれたんだ!と思い手をやるがそこに傷跡らしい傷跡は無かった。おかしい……?確かにここから大量に血を吸われて貧血起こしてぶっ倒れてなのに首筋にも口の切れたところの傷も無くなっていた。

「いえ、俺覚えてなくて……」
「そぅ?気を付けなさいね?」

保険医はベッドから起き上がろうとする古市を再びベッドへぺしっと小突く。

「もう少し寝てなさい」
「…………はい」

そう言って布団にくるまるのだが落ち着かず横になったままぼ〜っとしている。男鹿はどこへいったのだろう?男鹿の傷は大丈夫なのだろうか?等といったことが頭をグルグルと回る……。気付けば男鹿の事ばかり考えていた。

「古市、目ぇ覚ましたか?」

ガラリと戸を開けて男鹿が入ってくる。保険医は不在だ。

「男鹿!」
「おっ、目ぇ覚ましたか……何ともねーか?」
「……クラクラする」
「貧血か、人間は脆弱とは思っていたがここまでとはな」

はぁと溜め息をついて肩を竦める男鹿。

「なっ!」
「でも古市のおかげで助かったな、まさか渇きがあんなに酷いとは思わなかったからな」
「……高島たちは?」
「その辺に捨ててきた」

先刻迄の目眩や息切れ、脂汗はとうに無くなりケロリとしている男鹿を見て何だかホッとする古市だった。




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10/03(Wed) 02:59
(続
妹八

「あーやっぱヴァンパイアなんだな」
「なにが?」
「だって、マジけろっとしてんだもんな。さっきあんな死にそーだったのに」
ベッドの上で起き上がった古市の隣に男鹿は立った。
「でもそーなってくると、お前にとってはホント契約者探しって死活問題だよな…。ぅ…」
「大丈夫か?」
大事ないように振舞っていても、時々疲れたように俯く古市。顔色はそこまで酷くはないが、一気に大量の血を失ったのだから回復が遅いのも無理はなかった。
「まだ寝てろ」
「ッて!!」
男鹿は古市の額をはたいて無理矢理横にさせるとすぐに踵を返してしまう。
「おい、待てよ、男鹿っ!!」
古市の呼びかけは聞こえないフリをした。
保健室の外の通路にはベル坊を抱いたヒルダが待っていた。
「…何処へ行く?」
「どこでもいいだろ」
そう返す男鹿は傍目に見ても機嫌が悪いとよく分かった。
「貴様は確か今まで人間の血は飲んだことがないのであろう。不慮の事故とは言え、古市の、人間の血から得られる力を知って、貴様の本能はまだ血を求めておる」
「…うるせぇ…」
「ただでさえ常日頃から貴様は無駄にエネルギーを消費しておるのだから無理はなかろう。この分じゃどうせまたすぐ渇きが来るぞ」
"渇き"という言葉に反応したのかたちさろうとする男鹿の足が止まった。
「…さっきの奴らで適当に済ましゃーいーんだろ」
けれどそう返してまたすぐ歩き出す。
路上に捨て置いた高島たち不良軍団は伸びたまままだ目を覚ましそうにない。
男鹿は適当に近場のやつの血を吸ってみた。
「う"」
戻しそうなほどゲロマズの味がした。
また1人、また1人と噛み付いたがどいつもこいつもゲロマズだ。
「…くそ…」
まだどうも収まってくれそうにないヴァンパイアの本能とやらは男鹿の胸の内を締め付けた。
その日から、男鹿が古市たちの前に姿を見せることは、なかった。

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