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管理人達によるリレー小説(なり茶)掲示板です!
CPは色々節操なく

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08/09(Thu) 00:42
2話目
妹八

「テメエ!白髪野郎!!!待ちやがれ!!!」
人が多く通る昔懐かしい商店街。
その街中を大人数のいかつい男たちが全力疾走していた。
どうやら誰かを追っているらしい。
「待てと言われて待つ奴がいるわけねぇじゃん!!あと!これは白髪じゃねーーー!!!」
その集団の先頭を走る、学ランに身を包んだ銀髪の男子高校…古市貴之は叫ぶ。
「(まずい!!やっちまった!やっちまった!!俺の馬鹿!!)」
必死の想いで手足を振る。
後ろから沢山の足音と、
-ガチャ-
扉が開く音。
「(え?ガチャ?)」
あまりにもクリアに耳に届いた音につい思考が取られる。
音のした方…自分の真後ろに首を回してみる。
瞬間、上から、人が降ってきた。
追ってきていた集団の先頭が、降ってきた奴に潰された。
「だ、誰だてめぇ!高島さんから降りろ!」
集団の歩みが止まり、つい古市も足を止めて振り返った。
そこには黒い服に身を包んだ、恐らくは同い年くらいの青年…ドラキュラの王に飛ばされた男鹿が立っていた。
押しつぶされた"高島さん"の上に。
男鹿が叫んだ。
「なんでドアが重力無視すんだよ!空にドアはつきません!!!」
こいつ何言ってんだ…?的な空気が一瞬ながれさっきまで高島さんがどーのこーのと言っていた集団が静かになる。
古市が彼の降ってきた場所、つまり上を見上げた。
「!?」
確かにそこにはドアがあって、そのドアはゆっくり静かに消えていく。
「おい!消えんな!!コノヤロウ!!」
男鹿はこの状況が多分、一切見えてない。
そんな風に古市は思った。
「お、おい、お前、どーやってここに来たか知らないけど、今はまずいって!!」
「あ?誰だお前」
男鹿の腕を引いて出来る限り声を潜めて警告する。
しかし怪訝そうな目線を返された。
「まずいだぁ?!誰がまずくしたと思ってんだ?!白髪キザ野郎!!あと、黒髪!テメエ早く高島さんから降りろ!」
「ああっ、そうだった!ちょっとこっち来て!」
「あんだよ?」
古市の動きで正気を取り戻した(?)集団の誰かが喚く声で、古市はさらに男鹿の腕を引いて高島さんの上から退かせる。
「いてぇ…よくもやってくれたなぁ!!!」
ゆらりと起き上がった高島。
古市が引っ張ったことで自分に背を向けている男鹿をこれ幸いと思い切り後頭部に殴りにかかった。
「……あ"ぁ"?」
けど男鹿の目がゆっくりと振り向いた、だけだった。

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08/09(Thu) 14:32
朱音

「〜〜っつ〜」

高島は確かに男鹿の後頭部を殴ったハズだった。しかし男鹿は何にも効いていない様子で高島を睨み付けていた。

「かって〜〜っ、骨逝ったかも、くそっ、なにもんだテメー!!」
「あ?俺は、男鹿だ、男鹿辰巳」

名乗るなら自分からと、言う文化はヴァンパイア達は特に気にしないようで、高島の右手は赤黒くなっていた。

「大体テメーらこそなにもんだよ?いきなり殴り掛かって来て、ちょっとテメーの上に着地しちまっただけだろ?」

面倒くさそうに頭を掻く男鹿。高島とその仲間はずらっと男鹿を取り囲む。どうやら銀髪の青年から男鹿にターゲットが変わったかの様だった。

「何だよ人間界に来ていきなりケンカ何て申し込んだ覚えはねーんだけどな」

ふぁあ〜……と、欠伸をする男鹿。

「うるせー、こんにゃろ!」

1人が男鹿に殴り掛かって来る。男鹿はそれをひょいとかわして銀髪の青年の方を見る。

「どっちが悪い?」

一応、古市に訊いてみる。古市は固まっていたが「ハッ」と正気に戻ると不良の方を指差す。

「ったく、一応ケンカ禁止令出てんだけどな」

男鹿は魔界でケンカをし過ぎて、ヴァンパイアの王からケンカ禁止令が出ていた。

「あ、でもここ人間界だからいいのか!じゃ遠慮なく」

男鹿は殴り掛かって来た不良を殴ると不良が吹き飛ばされる。

「やべっ死んでねーよな?」

流石に人間界に来て早速人間殺しましたは、不味い良く見ると「カハッ」と息を着くのが見えてホッと胸を撫で下ろした。

「テメー!!」

そして古市を追い掛けてきた不良をこてんぱんにした後、古市に

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08/11(Sat) 01:36
(続
妹八

「じゃ、俺はこれで」
と告げて、背を向けた。
足元には伸されたヤンキー集団が転がっている。
「いや、ちょっと待てよ!」
立ち去っていく男鹿の背中を慌てて追いかけていく古市。
しかし、男鹿は立ち止まる様子を見せなかったので古市はその背を追いかけながら話し続ける。
「色々ツッコミたいことばっかりだけど、とりあえずお礼言うわ。ありがと、助かった!」
「別に。お前のためじゃねぇし」
「そーだとしても、結果的に俺は助かった。だから、ありがと」
一方的に喋りかけてくる古市を見もせずに男鹿は土地勘のない商店街を歩き続ける。
「あー…あのさ、男鹿くん?だっけ?ここら辺じゃ会ったことないよね?引っ越してきたの?それにさっき空にドアがあってさ、そっから降ってきたよね?アレなに?どーゆーこと?ド*えもんとか飼ってるの?」
「しつけーな、お前そんなんだからあんな奴らに目ぇつけられんじゃねえの?」
背後から延々と喋られて、少々うざったくなった男鹿はつい返事をしてしまった。
「え?あー…アレは……」
それまでポンポン出てきた古市の言葉が途端に濁り、男鹿はそれが妙に気になり古市へ振り返った。
「…んだよ?」
「俺、なんでか知らないけど中学ん時から高島先輩に目ぇつけられてんだよね。あっ、高島って、男鹿くんが踏んだアイツね。だから高校は先輩のいないとこ選んだんだけどなー…さっきウチの学校の女子生徒が先輩に絡まれてるとこ目撃しちゃってさ。つい…」
「口だしたのかよ。アホだな」
「アホって…。確かに俺、ケンカはからっきしだけどさ!女の子が困ってたらそりゃ男として、手を差し伸べたくなるだろ!」
「ないわ」
「うわ、ひで、男鹿くんて冷血漢?」
「れー、けつかん?なんだよそれ」
「まさかの通じなかった…。え、てか、俺の質問の答えは?」
そこまで聞いて男鹿は踵を返した。
「ちょちょちょちょ、無視すんなよ!!おい!!」
古市の呼びかけにまたも答えない男鹿の肩を掴んだ時だ。
「ダーーーーーーーーーーーーーーーブーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
宙をつんざく、赤ん坊の声がした。

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08/16(Thu) 17:46
朱音

「やべ!ベル坊、忘れてた」

男鹿は空から降ってくる赤ん坊を受け止める。古市は何故男鹿が赤ん坊?年は……近そうだから、男鹿の子供ではないと思ったが。一応。

「アンタの……子供か?」
「はぁ?お前頭沸いてるのか」
「だって、初対面だったらそう思うだろ!」

少し顔を赤くして反論する。思わず、声を荒げてしまったが。古市は間違った事は言っていないと思った。

「あー…コイツは魔王の子供で、訳あって俺が面倒見てる」
「魔王?男鹿人間じゃないのか?」

恐る恐る訊いてみる

怖い?

ただ余り男鹿からは余り化け物染みた恐怖はないし、先の不良から感じた恐怖等も無かった。

「俺はヴァンパイアだ!じゃーな」
「ダブッ!」

ベル坊と呼んでいた赤ん坊が古市の服の袖を掴む。古市はなんだ?と言う顔をして赤ん坊を見る。何だか心なしか悪い気はしない。

「なんだ?ベル坊、行くぞ?」
「ダーーーーッブ!」

赤ん坊は泣きながらどんどん古市の服にしがみつく。男鹿はやむ終えず。

「お前、名前は?」
「ふ、古市、古市貴之」
「古市か……しょうがねぇ、お前んち連れてけ」

2人は並ぶ形になるとベル坊の機嫌が戻ったのか?涙が潤んでいた目から涙の気配が消えた。

「お前、俺といて怖くねぇの?」
「さっきの不良の奴等の方が怖ぇ」
「……ふっ、そっか」

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08/21(Tue) 00:36
(続
妹八

男鹿たちは商店街を出て、一軒家が立ち並ぶ住宅街へ入っていた。
もうすぐで古市の家だという辺りで、玄関先から女の声がした。
「見つけたぞ」
「え?誰?」
「げっ」
「ダー!ブー!!」
家の前に腕組みをした金髪で巨乳のメイドが立っている。
古市は背後の男鹿たちの反応で、おそらくソッチ側の人なんだろうなぁと思った。
「さあ、坊っちゃま?帰りましょう?」
メイドは古市たちのことなど眼中にないようで、迷いなくベル坊に手を差し出した。
「ダブ」
しかし差し出した手をベル坊にはたかれる。
「なっ…!坊っちゃま!!坊っちゃままでこんなドブ男のくだらない契約者探しに付き合わなくてもいいのです!!」
予想外の反応だったのか怯んだメイドは慌ててベル坊に追いすがった。
しかし、ベル坊の目にうっすら涙が。
それを見たメイドと男鹿は一瞬で顔が引きつる。
「アー…ダブーーーーーーー!!!」
「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」
強烈な雷が3人を襲ったのはそのすぐ後だった。

「…失礼致しました。私、こちらにおられますカイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世様に仕えております。侍女悪魔のヒルデガルダと申します。ヒルダとお呼びください」
なんやかんやあって古市の部屋!
部屋の中央で三つ指をついて頭を下げたヒルダが顔を上げる。
「か、か、…かいべる…なんつった?」
「長ぇーから、ベル坊でいい」
古市はヒルダに聞こえないように小声で隣に座る男鹿に問いかけたが、男鹿に一蹴された。
ヒルダは構わず続ける。
「本来ならば魔王様の御子息様がヴァンパイア如きと一緒にいるなど由々しき事態にも等しいが、坊っちゃまはどうにもこのドブ男と離れたくないとおっしゃっている…。そしてあろう事か…このドブ男は人間界で己の契約者探しに坊っちゃまを付き合わせようとしておる!」
「いや、ベル坊が勝手に付いてきただけだって」
「しかし、貴様らだけで坊っちゃまの世話ができるとも思わぬ。そこでだ。私も人間界で世話になろうではないか」
「はい!ちょっと待ってください!人間界で世話になろうっつったって、皆さん何処か行く宛でもあるんですか?」
「ここ、があるだろう」
「古市の家でいーじゃねえか」
「ダ!」
「それは勘弁して下さい!!」
古市の全力の叫びが住宅街に響きわたった。

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