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管理人達によるリレー小説(なり茶)掲示板です!
CPは色々節操なく

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12/20(Wed) 19:33
続)
妹八

「ヴァンパイアなんだ…」
フラつく身体でエースの顔を覗き込む。
頭に?マークを浮かべたエースが次に声を発するまで、酷く長い時間が経ったような気がした。
「………は?」
そんなエースの反応はサボにもわかりきったものだったが、切羽詰まったサボの頭は飢えを満たすことだけ回る。
「…だから…ヴァンパイアなんだって…吸血鬼なの…おれは…」
「だから…俺の血ぃ吸わせろってか?」
「…悪ぃ…無茶なのも分かってる…いきなりすぎるもんな…」
エースにはこんな形じゃなくてちゃんと伝えたかったし、血なんか飲まなくたってもっと余裕があるかと思ってた。
自分の考えが、甘かった…。
「! おい!サボ!!」
エースの大声でふと我に返る。
目に見えるのはエースの…靴?
「サボ!!おまえ、ほんとにヤバいのか!?」
強く揺さぶられながら自分が倒れたことを認識した。
いつの間にかエースに上から覗き込まれていて、近くに感じるエースの体温に飢えはますます強くなるばかり。
「エース…くんな…」
「どっちだよ!血ぃ吸わせろって言ったり、離れろって言ったり!!」
「血は、吸いたい…吸いたいから…いまは…離れてくれ…」
エースを振り切ろうとしてサボは目を閉じた。
「おい!!サボ!!!おい!!!」
声がどんどん遠くなる。
相反するように飢えはどんどん強くなって、サボは生まれて初めての感覚に溢れてくる生唾を飲み込んだ。

ぽた…

口元に垂らされたモノは生暖かくて…舌の上で極上の味がした。
そうか、これが俺が飲みたかったモノなのか…。

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12/20(Wed) 23:44
朱音

………ぽた、ぽた…

口いっぱいに血独特の鉄の味がする。それが好きになった相手のモノだと余計に幸せが込み上げて来て、意識が現実に引っ張られる。

「はっ!エース、お前、何して…!」
「サボ、俺の血飲みてぇなら言えよ」

見るとエースが近くに落ちていたガラス片で自分の手首を切っていて真っ赤な鮮血ははそこから滴り落ちていたものだった。サボは慌てて体勢を立て直してエースの手を止める。

「止めろよ!」
「何でだよ!」

昼間なのに薄暗い路地裏で口論になる2人。

「ヴァンパイア1人見捨てるのなんか簡単だろ!」
「嫌だ!俺は、その…サボに死なれたら困る!」
「だからってこんな…エースには関係ないだろ…!」
「サボは、その……特別なんだ!だから、その……///」

薄暗い路地裏でもお互いの顔は見えていたからエースがほんのり赤くなっていたのも解った。
エースもサボ同様サボに特別な感情を持っているのが解った。じゃなきゃこうまでして自分を助けたりしないだろう。

「……………解った」

2人の長い沈黙を破ったのはサボの方だった。

「サボ?」

サボがエースの腕を伝う血を舐める。そして傷口に辿り着いて傷口を舐める。

「……っつ!」
「こんなに零して……勿体ねぇ」

ちゅっと音を立てて舐めると傷口は嘘のように塞がっていた。

「すげぇ…傷がねぇ」
「エース……」
「…ん?」
「帰ったら、血吸わせてくれ……家までは持つと思うけど、その…いいか?」

恐る恐る訊いてみる。

「…あぁ!良いぜ、じゃ貧血なる前に帰りますかー」
「そうだな」

ある意味これで人間界の不味いトマトジュースとはおさらば出来そうだ。これは良かった。

好きなだけ。…………と、までは行かないがお互いの同意の上での血の提供が了承されたのだから

「エース…帰ったら、、、いいんだな?」
「いいぞ」

と、2人は家路を急いだ

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12/21(Thu) 00:36
続)
妹八

「……」
本当はもう少し街をぶらつく予定だった。
だけどサボの切羽詰まった様子に寄り道もせずにまっすぐ家に帰ってきた。
「……お、おじゃまします…」
エースの後ろから続いて家の中に入ってきたサボはおずおずと呟く。
これからやろうとしていることの緊張感が2人の間にじんわりと広がっていった。
「…もうここはサボん家も同然だからいいんだよ、ただいまで」
「…じ、じゃあ、た、ただいま…?」
気を紛らわそうとしたエースに軽く訂正されて、素直に従うサボ。
「…、よし、それでいい」
サボに「ただいま」と言われて悪い気はしなかった。
2人の間の緊張感が少しずつ解れていくように、エースもサボも口元が緩んでいった。
「それでエース、血を飲むって話だけど…」
居間の真ん中に向かい合って座ると、サボが本題を切り出した。
「あぁ。やっぱ首に食いつくのか?ヴァンパイアだから!」
「ヴァンパイアに対する偏見だなぁ…別に首にこだわってないから」
「そっか…」
「ま、エースが首がいいって言うんなら…」
ところがサボがにじり寄るとエースが慌て始めた。
「ちょぉ!まて!!やっぱ吸われるとなると、色々ドキドキする!!」
「お、おれだってドキドキしてるし…」
「え、ほんとかよ〜…」
「ほんとだって!!」
と、反射的にサボの肩を押したエースの手のひらを自分の胸に押し当てた。
サボの緊張と熱が手のひらからじんわり伝わってくる。
「な?」
「ぅ、わかったよ!一思いにいけ!!」
ぐっ、と手のひらと入れ替わりに首を差し出してくるエース。
ついサボは吹き出してしまった。
「…潔いんだかよくないんだか…」
「なんか言ったー?」
「ううんなにも」
目を瞑ってサボを待つエースにサボの胸は暖かくなっていく。
「エース…ありがとう…」
「…んっ」
互いの胸の鼓動の速さが、互いをどう思っているのかを全力で伝えようとしているみたいだった。

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12/21(Thu) 16:00
朱音

「いただきます」

じゃく…とエースの首筋に噛み付くサボ。エースは一瞬顔を歪ませる。

ごく、ごく……

何度かサボの喉が鳴る音がする。エースはまだドキドキがしている。多分サボもそうなんじゃないかと思うとまだマシだった。

「サボ…もぅ良いだろ…」
「……あ、すまん。つい美味すぎて」
「…んっ!」

レロッと首筋を舐めるとエースの首筋の噛み傷は消えていた。しかしエースの眉をひそめた少し高い声にサボは…

「へ、変な声出すなよ!?」
「な゛!好きで出したんじゃねーよ!」
「(可愛すぎるだろ!俺じゃなかったら襲ってるぞ!)」

と思ったが、言うとエースはムキになって反論してきそうななでやめた。その内“可愛い”と伝えれる時が来たら伝えようと、サボは心に誓った。じゃなきゃエースは無防備でイケない。

「はぁ、兎に角俺は満たされたからこれ以上ないほど美味かった」
「そりゃ良かった」
「またよろしくな!」
「…解ってる///」

エースが照れてる。そんなエースを可愛いなぁと守ってやりたいなぁ等と庇護欲を掻き立てられていると。

「じゃ俺は少し寝るわ」

少し貧血気味になったのか?まだ午後2時を廻ったばかりだ…。

「…悪ぃ、調子扱いて飲み過ぎた」
「気にするな…5時になったら起こしてくれ」

次の瞬間にはエース横になって眠っていた。しかし渇きを満たされたサボもとてつもない睡魔に襲われる。

「……ダメだ、ね…む……」

そしてエースの隣に倒れるようにして眠ってしまった。ヴァンパイアは血を貰うと逆に血をあげた人を守るため起きているものだがサボは初めての渇きと飢えが満たされ、ここには襲って来るような輩は居そうにない安心感からか?睡魔に負けてしまった。

「……エース…ムニャムニャ…好きだ」




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12/24(Sun) 11:41
続)
妹八

「……っ!」
背後のサボの呟きについ息を詰まらせてしまった。
うっすらと目を開けてサボを伺うと、満足そうな笑顔で寝息を立てている。
「………、フっ」
なんとなくその寝顔につられて自分も口角が上がるのが分かった。
そうしてそっと目を閉じてエースも眠りに誘われて行ったのだった。

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