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管理人達によるリレー小説(なり茶)掲示板です!
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12/01(Fri) 15:56
1話目
朱音

ここは魔界のある城ではヴァンパイアの王がある4人のヴァンパイアを呼び出していた

「なんだろな〜話って」

皆、それぞれにトマトジュース持参で飲みながら王が来るのを待っていた。呼び出されたは良いものの肝心の王がなかなか来ない。
痺れを切らしながらサボが口を開く…

「……さぁ?」
「俺らなんかしたっけ?」

続いて男鹿がぶっきらぼうにまさしく不機嫌そうに答える。銀時がめんどくさそうに言う。

「なぁロー?」
「…んぁ?」

前の話を聞いていなかった様にローはサボの言葉にも耳を貸していない。
ローは魔界でも有名な所の病院で怪我をした悪魔を看ている。

「待たせたな!」

バタンとドアが開き王が入って来る。何故かその顔はいつになく真面目で。4人は生唾を飲んだ。

「んで、話ってなんだよ?」
「俺、今日発売のトマトジュース買いに行っていいですかー?」

男鹿が不機嫌そうで、銀時は確か今日発売の血の味に近いトマトジュースを買いに行かなければ売り切れると、思い話を切り替える。

「王様なんで俺ら呼び出されたんだ?」
「自覚がないようだな…」
「もったいぶってないで言えよ」

サボもローも思い当たる節が無く。頭の上には男鹿や銀時と同じ様に『?』マーク

「お前ら人間界にいつ行くんだ?」
「んなもん行かねーよ」
「めんどくせぇ」
「そんな事で俺ら呼び出したのか?」
「俺らは俺らの意思でいかないんだよ」

上から男鹿、銀時、サボ、ローである。確かに必ずしも人間界に行かないで魔界で過ごすヴァンパイアも最近では目にする、珍しく無いことだ。

「お前らと大体年の近いトリコなんか既に人間と契約済みだぞ!」
「あれ?そうだっけ?」

皆、トリコが人間界に行ったのは噂には知っていたがまさか既に契約済みだとまでは知らなかった為、少し驚いた表情を見せる。

「だからお前らも………」
「「「「!」」」」

王が別の部屋の戸に手をかざすと勝手に開く。

「人間界に行ってこい!」

するとみるみるうちに視界がぼやけて4人はドアに吸い込まれてしまった。





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12/02(Sat) 01:50
続)
妹八

……………………………。
….ゴツっ。
「いてっ!」
勢いよくドアの先に放り出されて、サボは目の前のレンガ壁に頭をぶつけた。
それもそのはず、ドアと壁の間は僅か数十pしかあいてなかったからだ。
「ったく、変なとこ適当だよな…王様…」
壁に手をついて這い出ると、そうぼやく。
けれどそのぼやきに同意は返ってこなかった。
「あ、れ?ロー?銀さーん?男鹿ー?」
まだ来てないのかと呼びかけても返事はない。
それどころか一向にサボ以外がドアから出てくる気配がない。
「どうしたんだ、なんかトラブルかー?…?!」
覗こうとして壁とドアの隙間に顔を滑り込ませると、ドアはみるみる透けていった。
「はぁ?!なんだ、これ!」
そうしてサボが驚いて体を起こした時にはドアはもう跡形もなく消えてしまった。
「………」
もはやここには残されたサボが1人唖然と路地裏に佇んでいるだけ。
「ウソだろ!?いきなり放置なのかよ!!!!!」
壁に拳をぶつけて叫ぶとその声は思ったよりも反響して、表の通りを行き交う人達がサボを訝しげに一瞥していった。
「…やべ…。怪しまれた…。いや、ヴァンパイアだから怪しまれて当然ちゃあ当然。…とか言ってる場合じゃねぇか…」
この際いくら焦ってもこの状況は変わらないと半ば諦めで、サボは路地裏を離れることにした。
表の通りは想像していたよりも人気の多い道で、洒落たビルやら一軒家スタイルの売店が並んでいる。
ヴァンパイアと言えど、サボの背格好は人間とそう変わらない。
一目みてサボを避けるような人はいなかった。
そうして止めどなく流れる人の波に乗ってしまえばますます人間と見間違うだろう。
「さて…ここからどーしますかね…」
視界に入るのは、人、人、人…。
ここにいる全員がヴァンパイアの餌になり得るだろうが、喰う気のないものをわざわざ選ぶのが面倒だと歩きながらサボは思うのだった。
かと言って全く知らない人間界、本当にどうしたものか。
「……」
「…なぁ、」
「……」
「おい、お前、道に迷ったんだろ?」
「…は?」
突然目の前に見知らぬ男が立ちふさがった。
ウェーブがかった黒髪が彼の小麦色の肌に合って、アウトドアな好青年を演出していた。
「よかったら、案内してやろーか?」
そして青年は白い歯を見せて爽やかに笑った。

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12/02(Sat) 15:24
朱音

ズゴーーン!?

サボはその青年の笑顔を見て生まれて初めて体全身に雷が落ちたような衝撃を受けた。

「(か、可愛い!)」

明らかに青年は男で背は同じくらい、体も筋肉で引き締まっていてとても可愛いよりは、格好いいが似合うだろうがサボには青年の整った顔の緋色の瞳を見て、何故か笑顔の似合う青年を可愛いと思ってしまった。

「聞いてるか?おーい」

サボが青年を見て固まっていて、青年はサボの顔の前でパタパタと手を振る。

「はっ!アンタ名前は?」
「俺?俺はポートガス・D・エース!エースって呼んでくれ、お前は?」
「俺はサボ」
「サボか…良い名前だな!」

フワッと笑って見せると、サボはビリビリと痺れる感覚に襲われる。そして同時に胸を締め付けられる様な…動悸がする。

「どうした?顔色悪いぞ?病院行くか?」
「い、いや…平気だ!」

初めての感情に戸惑いしかないサボを余所にエースは『良かった』と、言って…

「兎に角まだ顔色悪そうだから、公園にでも行こうぜ?」
「……解った」

これ以上エースの傍にいては自分の心臓が破裂しそうなくらい脈打っている。ドクンドクンと熱いものが込み上げてくる。

公園に着くと。

「そこに座ってろよ?俺なんかジュース買ってきてやるよ!なんか飲みたいものあるか?」
「トマトジュース………無ければ水」
「解った、待ってろ」

タッタッタと、走って行くエース。

「エースの血って…美味いのかな?」

ポツリとそんな事を呟く。初対面でいきなり『ヴァンパイア』だの『契約』だの言ってもダメだと思い、ぼんやり空を見上げる。遠い祖先のヴァンパイアは日光がだめだと言うが今のヴァンパイアは必ずどこかで人間の血が混ざっているためか?日光を浴びたり十字架を翳されたり、ニンニクを食べさせられようが平気だった。
サボ個人的にニンニクはあまり得意ではないが。太陽は空の真上より少し傾いたところにいた……昼下がりって所か…?

その時。

ピタッと冷たいモノが頬に触れる。サボはビックリして、後ろを振り返るとトマトジュースを持ったエースが立っていた。

「ほら、トマトジュース!」
「……サンキュ」
「ヘヘッ!」

余程走って来たのか?汗が頬を伝っていた。汗をかいた項から鎖骨に掛けて思わず目が行ってしまう。

「(吸いたい……)」

初めて人間の血を欲した。






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12/02(Sat) 16:31
続)
妹八

「はぁぁ〜….ん?どうしたよ?飲んでいいんだぞ?」
「はぁ?!」
サボの腹の内など微塵も知らないエースはサボの隣で呑気にそんなことを言う。
「え?なんだよ、お前がトマトジュースっつったんだろ?」
「…あ、あぁ、トマトジュース…トマトジュースのことね…」
「?」
それ以外何があるんだよ、と言いたげな眼差しを向けられサボは背中に冷や汗が流れるのを感じた。
「…いただきます…」
「おう。飲め飲め」
気を取り直しておずおずとトマトジュースに口をつける。
ヴァンパイアの世界で売ってるような、血の代わりになるような効果なんてないんだろうし正直微妙なトマトジュースだと一口で思う。
しかしそれにも増してサボの飢えはその主張をやめなかった。
それはおそらく…。
「……」
「なんだよ?」
この隣にいるエースのせいだろう。
「(….血ぃ飲みたいとか思ったことねぇからな…こっからどうすりゃいいんだ…)」
と、サボが1人悶々としているとエースが言った。
「あ、そうそう。それでサボはどこ行きたかったんだ?」
「へ?」
「いやだから、迷子…だろ?」
「迷子って…。あー….いや正直ここ来たことねぇし、行くあてなかったーってゆーか…」
「えっ?マジで?」
今度はサボの言葉にエースが驚いた。
「え、家とかは?」
「…かなり遠いとこなので戻り方はしらん」
「やべぇな…実はお前、裏社会の人?」
「違ぇ」
いつの間にかエースの方が楽しそうにサボにあれやこれやと聞きたそうにしている。
少しだけ、まずったなと思った。
サボが一呼吸置いているとエースがまた真面目な顔に戻り思案しはじめる。
「あ、でもそうなるとどーすんのがいいのか…、っ!」
しかしそう呟いているのを携帯のアラームに妨害される。
「うわ、やべ!バイト間に合わなくなるじゃねーか!」
携帯の画面を一目見てベンチから勢いよく立ち上がった。
「バイト?」
「ああ、俺これからバイトでさ…あっ!」
「な、なに?」
慌てて急に大声を出したエースにサボは翻弄されっぱなしだ。
当のエースは振り向きざまにサボの腕を引いてきた。
「お前のことも放っておけないし、とりあえず一緒に店まで来いよ!店長に相談してやるし」
「は?え?」
「そうと決まれば、行くぜ!サボ!!」
「おい、待てって…!」
無理やり引っ張り上げられて、サボはエースに引かれて公園を後にした。

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12/03(Sun) 08:06
朱音

エースのバイト先は公園を抜けて大通りに入ってすぐのパン屋だった。

「白ひげパン屋?なんじゃそりゃ?」
「えっ!サボ知らないのか?拘りの素材しか使わない、ありふれてるようでそうじゃなかったり、でも味は折り紙付き!全国展開も各地方にもそれぞれオヤジが認めた人員が配置されてて常に高みへ挑戦している!全国からここのパンが食いたくて客がくるし、俺がバイトしているまさにここが本店なんだぞ!」

一気に話したせいか少し息が切れ気味だ。サボもパンは嫌いじゃない。特に白パン等は大好きだ。たまに魔界に来る行商人から白パンを買ったりするだけで幸せになる。白パンがしみしみになるまでトマトジュースを漬けてから食べるのは、皆に変わってると言われるが大好きだ。

「知らねぇ……オヤジってのはエースの父さんか?」
「マジか?って、実は俺ホントの親の事は良く覚えてねーんだ……ずっと孤児院にいたしな!」
「……大変だな、その色々と…」

サボも親と呼べる親は王くらいで。でもちゃんと育てて貰って感謝もしてるし。いつか恩返ししなきゃなぁなんて思っていたがまさか自分を人間界にやるなんて思ってもいなかった為未だに信じられない。

「今は、まだバイトだけどちゃんと勉強して一人前になったら正式に雇ってくれるってオヤジが面接の時言ってくれたんだ!」
「いい人なんだな…」
「あぁ!///」

まるで自分を褒められているかのように嬉しいのか?少し頬を赤らめて笑う。
その笑顔から目が離せないサボ。相変わらず、心臓はバクバクと五月蝿いし。エースがここまで推奨するパンなら食べたいとも思えてくる。

「店の前で何してるんだよいエース!」
「マルコ!オヤジいるか?」
「昨日から出掛けるって言ってたの忘れたのかよい?」

店から出て来た見た目パイナップルの男性。マルコと呼ばれている。

「そっか……」
「どうした?」
「いや、コイツ…サボが迷子で行く当てなくてでも俺バイトあるし、でも放って置けないからつれて来ちまった!」

サボはエースの後ろに立っている。エースからは汗をかいたハズなのにほんのり良い香りがして、つい項に目が行ってしまう。

「また、エースは仔猫の次は迷子かよ」
「放って置けねーんだよ!それに仔猫だってちゃんと里親探しただろ!」
「そいつの里親は見つかりそーか!?」
「う!うるせー!」

エースが顔を真っ赤にして反論している。その姿さえ可愛くてそしてどんな味がするんだろうと思うと、体温が上がった気がした。

「お前名前なんて言うんだよい?」
「えっ?…あぁ、サボ…」
「…はー、黙って店に置いとく訳にもいかねぇよい、レジ打ち教えるから付いてくるよい」
「良かったな?サボ!」

ニシシ!と、白い歯を見せて耳打ちをする。

「あ、あぁ……」

サボはさっきから心臓がバクバクと聞こえるんじゃないか?と、言うほど五月蝿く高鳴っていた

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