血液型男子

□8話目
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「え!井上先生が入院?」
「うん」

と、ある朝皇子が重い口を開いた
井上先生と言うのは4人の高校の時の担任で進路の話を自分の事のように悩んでくれた恩師だ。

「なんで?」
「胃潰瘍だって」
「胃潰瘍?」
「酷いと胃に穴が開くんだよ」
「ヤバイじゃん!?」
「今日、皇子は仕事だけど…俺達3人でお見舞いしに行くと思うから」

と、瑛太が言う。

「そうだな!恵比須、お前何時頃なら空いてる?」
「午前中なら」
「じゃぁ午前中にしよう!!午前中なら塾も暇な方だし」
「解った!今日検温の時井上先生に話してみるな」

と、言って皇子は仕事へ出掛けて行った。

「皇子のセクハラ疑惑も確認出来るチャンスじゃないか?」

と、恵比須

「そうだね」
「恵比須!確かに!俺達の皇子にセクハラするなんて!マジ腹立つ!」
「ちょっと悠弥メインはお見舞いだからな!」

慌てて瑛太が止めるが…。悠弥はなんだか止められなくなっている。

「お見舞い何か持っていかなきゃな…」
「胃潰瘍は何も食べれないっぽそうだから…花とか?」
「花なんか俺さっぱりだ…」
「俺も…」
「百合とかなら良いんじゃない?」
「なるほど…」
「百合なら俺も知ってる!」

と、言って。花屋に行って百合を買うことにして。

3人は今朝食べたものを片付け…一息着いたら行くことにした…。


病院では…


「おはようございます、検温ですよ〜」

と、看護師達が各部屋に検温に回っている。

「いやぁ…まさか皇子がこの病院の看護師だったとはな」
「熱計って下さいね」
「あ、はいはい」
「俺もまさかこんな形で再会するなんて思ってませんでしたよ〜、脈測るで手出してください」
「瑛太や悠弥、恵比須は元気か?って、解るわけないか…」
「76と、あいつらなら元気ですよ、今家に居候してるんですよ〜」

ピピッと体温計が鳴る

「そうなのか!?」

体温計を渡す井上。

「6度5分と、今日来ると思いますよ!失礼します」

と、笑って井上の個室から出ていった

「相変わらず、屈託のない笑顔だな…」

それにしても久しぶりに会える教え子に心が踊る井上だった…。






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