おそ松さん

□松ネタ吐き出し
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【※注意】


・旅行先でテロに巻き込まれた。
・イヤミが実は公社の人間だったという設定
・羲体化して顔合わせした翌日。一カラ
・書きたいとこだけ書く精神。なので中途半端。
・思い付きによる勢いだけの文章







カラ松はテーブルに向かって黙々と作業していた。

銃のスライドを前に抜き、無機質に机の上に手作業を進める。机上には一丁の銃だったものが広がっていた。ばらした部品は一つ一つ丁寧に並べられている。

銃の分解が終わった。

作業に夢中になるあまり、前屈みに丸めていた背中を伸ばして、六十余りのパーツが整然と並ぶ机上を無表情で見下ろす。

しばらくの間それらを眺めてから、今度は一松から貰った取り扱いガイドを広げて読み始めた。



*



昨日、義体となったカラ松と顔合わせをした一松はとても気が重かった。

現在のカラ松にかつての記憶がないこと。
条件付けで洗脳されていること。

全て承知の上で彼の担当となったのに。

無表情に自分を見つめる兄の瞳にショックを受けてしまった。


そして、本日も担当官として彼に会わなければならない。それが、今の自分の役目であった。



カラ松の病室に入る前に、一応扉をノックする。

しかし、返事はない。

試しにもう一度、ノックをする。



「………」



何の反応もないことに、舌打ちをし、ドアノブに手を掛けて勝手に中に入らせてもらう。

薄暗い部屋の中にはテーブルに向かうカラ松の姿があった。



(…クソ松の野郎、起きてんじゃん)



一瞬、無視されたことにイラッとしたが、そこで、何かに気付く。

ジャコンと、重々しい機械がぶつかる音がカラ松の方から聞こえた。

彼の手元を見ると、マガジンを装填する油まみれの指が見えた。装填されたマガジンは素早くリリースされ、今度は銃の分解作業に入っていく。

ちらりとテーブルの隣のベッドに目を向けると、そこは昨夜から使われた形跡もなく、綺麗なままのシーツがあった。



「………」



カチャカチャと手を動かすカラ松。



「おい、クソ松。昨日、眠らなかったのか」

「あぁ」




一応、返事はするものの、一松の方を見向きもせずに、ただ黙々と作業を行っている。静かな部屋の中に、無機質に銃をバラす音が響く。



「なんで」

「お前が早くコイツを扱えるようになれって言ったからだ」

「は…?」



淡々と返された返事に、一松の瞳が微かに見開かれる。

何気なく自分が言った言葉を受けて、昨日一松が帰ってからずっと一睡もせずに貰った銃を分解しては組み立ててを延々と繰り返していたというのか。

今日、一松が来るまで…。



「…やめろ」


震えそうになる声で、そう命じると、うつ向いて分解作業をしていたカラ松が、ピタリと手を止め、ゆっくりと背筋を伸ばして、一松を見つめる。


あぁ。なんて、哀れな兄だ。

屑を助けて死にかけて、今は洗脳されて、屑の言うことを聞かされる生き人形となってしまった…。


目の前で自分を見上げるカラ松は、かつてとは全く違う生き物と化している。

かつての一松が禁忌の想いを抱いた相手…あの不器用で鈍感な兄は、テロに巻き込まれ、一松を庇って死んだも同然。

だから、目の前のカラ松の姿をしたコイツは…ニセモノである。


洗脳され、愚直なまでに一松の命令を遵守するコイツは…ただのマガイモノだ。

松野一松がテロリスト共に復讐する為の道具なのだ。

カラ松の姿をした道具。



そう、割り切らなければ、淡々と自分を見上げるこの変わり果てた兄と、これから先やっていけそうになかった…。

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