黒駄文

□天使カラ松の堕天
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「え……」

「お前が堕天しちまえば、一松のヤツは天使になろうとしないし、俺もお前も魔界で一松と一緒にいられるし、三人揃ってみんなでハッピーエンドってワケ」

「……はなしは、わかった。……俺は別にいちまつのためなら堕天してもいい。でも、あいつ以外のやつに堕天させられるのはいやだ!」

「わかってるって、ンなことは。でも、アイツはお前を堕天させる気はサラサラないワケ。だから、面倒臭いけどヘタレな弟に変わって俺がお前を堕天させんの。という訳で一松の為に我慢してね」

「ストップ、ストップ!……待ってくれ。とりあえず、俺を堕天させる前にいちまつを呼んでファミリー会議としよう!な?」

「いや、そんな悠長なことやってらんないんで。手っ取り早くお前を堕天させる」

「ま、待ってくれ。デビル!」



 カラ松の制止を無視して、組み敷いた体勢のまま下半身に手を伸ばし、熱い肉棒を掴む。先端に親指を当てると先っぽからは淫水が溢れ出ていた。滑る先端をくりくりとこねくり回してやる。



「ひぅ!」



 カラ松の腰が跳ねる。



「やだやだやだやだ!触るな!やだぁ!!」

「そこはやだじゃないでしょ。キモチいでしょ」



 ゴシゴシと竿をしごいてやると、ふるふると小刻みに体が震えて呆気なく吐精した。飛んできた白濁を右手で受け止めてやる。



「ほらぁ、見てよ。天使さんのせいで俺の手汚れちゃったよ。気持ちよかったでしょ?」



 どろどろとした精液を目の前に突き付ける。みるみるカラ松の顔が歪んでギュッと目を瞑ってしまった。何だよ。つまんねー。



「……う……ヒック……」



 閉ざした瞼がふるふると震えて



「うわぁあああん」



 大泣きされた。

 わぁわぁと泣きながら、ガチャガチャと後ろ手にまとめた手錠を揺らし始めた。しかし、どんなに揺らしても手錠は外れない。
 魔毒の空気と聖なる力を封じる手錠のせいでろくな抵抗もできないまま、いいようにされる哀れな天使。
 もう諦めて大人しく身を委ねくださいな。

 おそ松はカラ松の上から身を退いて、仰向けになっているカラ松の体を、布団を引っくり返すようにぐるんと引っくり返してうつ伏せにする。



「はいは〜い。ちょっと四つん這いになって頂戴ね」

「な、何で!?」

「今さらソレ聞く?聞いちゃう?」

「やだやだやだやだぁ!ソレだけはやめてくれ!お願いだ!デビル」

「無理デース」



 腰を掴んで無理やり尻を浮かせて四つん這いにさせる。プリッとした滑らかなお尻が目の前に突き出される。
 おぉ、絶景。肉の蕾が丸見えだ。精液で滑る右手でそっと蕾の周りをゆっくりと撫でてやった。

「やだ、やめろ!なんか、気持ち悪い……!」

 制止の声も無視だ。無視。

 縮こまった蕾を指先で突いてやれば、息を飲む気配が伝わった。まずは中指からゆっくりとと中に潜らせる。指をくねらせて頑な肉壁を手懐けるように動かした。しこりを掠めるように動かすも、あえてそこには触らない。物欲しげに揺れる腰に、それでも入り口ばかりを愛撫する。



「なんか腰動いてるよ?」

「えっ……」

「お前さ、初めてなんだよね?初めてでも感じるなんてコッチの素質あるんじゃねぇの?」

「ち、ちが……ァっ!」



 話し掛けたものの返事を聞く気はなかったので、カラ松の声を無視して、一旦指を引き抜いて中指に薬指を添えて指を中に埋める。

 二本まとめて中で指を曲げるとビクリと肩口が跳ね上がる。埋め込んだ指を動かして先ほど触れなかったしこりを引っ掻くように押してやる。浮き上がる腰を逃がすまいと後ろ手に拘束した手錠を引っ張って抱え込み、的確に快感を引き出してやる。



「―――ッ、……く、ぅ」



 必死に声を殺そうとするも、漏れでる声は切なげに濡れた甘いものへと変わっていく。



「ほらほらぁ、我慢しなくても良いんだよ?」

「……く、……ぁ……ッ」



 そろそろ二本の指に慣れてきたようなのでまた一度、指を引き抜いて、人差し指を加えた三本を挿入する。埋め込んだ指をばらばらに動かしたり、指の先でぐりっと強めに前立腺をたたいてやる。



「んあ……!」

「声出しちゃったね〜。気持ち良かった?」

「ぁ、んぁ……べ、つにッ……」

「そう言えば、知ってる?ここ、一松の森なんだぜ。ほら、そこの繁みを見てご覧よ。さっきから一松の使い魔がこっち見てるから」

「え……」



 四つん這いになっていたカラ松は、おそ松に言われるまま顔を上げて、繁みの向こうを見ると、視線の先で何匹もの猫がこちらを見ていた。

 一松の使い魔達だ。



「うぁあああぁああああぁ!俺を、見るなああああぁ!!」



 今にも心臓が止まりそうな悲鳴を聞きながら、おそ松は悠々とズボンのチャックを下ろして、すっかり準備万端な高ぶりを出した。



「やめてくれ!!おそ松!!嫌だ!こんなの、もう、いやだ!!」



 いきりたった雄を握り、亀頭を後孔に押し当てる。腰を揺らして、ゆっくりと亀頭を押し込んでいく。



「アっ!!」

「……くっ、やっぱちょっとキツいな」



 じりじりと腰を動かしながら、カラ松の背中に口付けた。繰り返し唇を落とす度に、ピクリと背中が震えて手錠の鎖が揺れる音がした。やがて、頑なだった肉壁から力が抜けていく。



「んぁ……はぁっ……あぁっ……!」

「天使さん……全部、入ったよ。中、すっげー気持ちイイよ……」

「ンぁ、……みるな、やだぁ……」



 目眩がしそうなほど熱く蕩ける体内。はやる気持ちを押さえて少しずつ腰を動かすスピードを上げていく。

 バックから挿入しているため、おそ松からはカラ松がどんな顔をしているのかわからない。ただ虚ろな声で喘ぎながら、ときどき「みるな……」と呟いているのが聞こえるだけだ。
 しかし、さっきよりも随分と滑りがよくなってきたし、カラ松の身体がおそ松の動きに馴染んできたことはわかる。とりあえず、先ほど中をほぐしていたときに見つけた前立腺へ狙いを定めて腰を打ち付ける。途端、悲鳴をあげ、跳ね上がる腰を押さえつけてなおも容赦無くそこを付いてやる。



「んぁっ!……待っ、やだぁッ!!」

「待た、ないッ」



 カラ松が呼吸するごとに、おそ松を締め付ける力が強くなる。喉奥で笑うも息が続かず唸るような音に鳴るだけだ。幾度も突き熟れたような中を、徐々に大きなストロークへと変えてかき乱す。

 勢いよく腰を打ち、ゴリッと前立腺を突き上げる。耐えていた唇が悲鳴じみた嬌声を放つと同時にカラ松が二度目の精を吹き出した。さらに逃げようとする腰を押さえ込み、容赦なく良いところを責め立てる。



「ゃだっ!!……いやだ!……みないで!!やだああぁっ……いちまつっ!!」



 絶頂を迎えようとするカラ松の身体が痙攣する。同時におそ松を締め付けていた内部も震え、それが引き金となって、おそ松は勢いよく射精した。

 崩れ落ちるようにして、カラ松の上に重なる。呼吸が落ち着くまで、何となくおそ松はカラ松を抱き締めていた。純潔を奪ってやった。悪魔の精液を胎内に注いでやった。悪魔に純潔を奪われた天使はもう天界に帰れない。

 これで、一松も受肉しようとは思わないだろう。

 ようやく肩の荷がおりた気がした。



「……良い気味だ」



 弟を誑したクソ天使も
 俺を置いていこうとした一松も
 ザマァミロ。

 心の中でいい気味だと嘲笑いながら、目の前の天使の項を見る。

 おそ松の精を注がれて、汚された哀れな天使。

 コイツの純潔を奪ってやったのだから、もう、コイツは自分のモノなのではないか。そんな気がした。
 とりあえず、所有者の証として、目の前の項に歯を立てて噛みつこうとした時、おそ松を拒絶するかのように、項からバチバチと音を立てて紫の電流が発生した。

 驚いてカラ松の体から飛び退くと、カラ松の首筋には一松の施した紫の刻印が浮かび上がっていた。

 ヘタレな弟は純潔こそ奪わなかったが、その体にしっかりと所有者の刻印を刻んでいた。おそらく、一松の首筋にもカラ松に刻印を刻ませているのだろう。

 愛し合う二人はお互いがお互いのモノだという契約をすませていたのだ。



「うわぁ……なんか、つまんねー……」



 めっちゃ疎外感ハンパないわ〜。
 まぁ、いいや。



(とりあえず、コイツを堕天させることは出来たし。)



 後ろ手に拘束していた手錠を外すと、真っ黒に染まった翼が現れた。頭の上で光っていた光輪も消えている。

 おそ松は黒い翼を指で撫でつけ、一枚羽を抜き取る。満足げな笑みを浮かべながら、漆黒の羽にそっと口付けた。


end.
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