花と恋
□第2話 歯車
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あれから1週間が経ち、私は穏やかな日々を送っていた。
彼が2年の花宮真であることを、私は翌日に知ることになった。
花宮先輩は女子生徒に人気のある、かなり有名な人だった。
「いやーまさか小絵ちゃんが花宮先輩を知らなかったとは」
「だよねー、1年でも絶対知ってるよね」
席が近くて仲良くなった美菜ちゃんと花鈴ちゃんが私を囲う。
「上の学年の人なんか知る機会ないって」
「有名人なんだから名前くらい聞くでしょ」
美菜ちゃんは呆れ顔で私を見る。
「というか、普通入学したらすぐイケメン探しするでしょ!素敵な高校生活を送るには彼氏は絶対条件!」
花鈴ちゃんは拳をつくって力説する。
「え、しないの!?」
「だって入学してそんなに経ってないし…」
「人それぞれだよね」
「もー!呑気すぎる!」
(花鈴ちゃんはモテるんだろうなあ)
ふんわりとした柔らかい髪とぱっちりとした二重、男の子が放っておくはずがない。