泡沫の夢

□月が綺麗ですね
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「月が綺麗ですね」
「は?」


私が唐突にそう言うと、カイリくんはぽかんと目を丸くしていた。


「こんな昼間に月なんか出てないだろ」


やはりというか予想通りの反応が返ってきた。別にそれでも構わない。私の想いを月に隠して告げたかっただけだから。だから、次に続けられた言葉に今度は私が目を丸くする番だった。


「……俺、死んでもいい」
「え……?」


カイリくんが知っているとは思わなかった。だって、さっきだって普通の反応してたし。だけど、その言葉は偶然にしてはあまりにもできすぎていて、そっぽを向いているカイリくんは耳まで赤くしてて。
ふいに視線が合い、カイリくんが小さく笑う。


「あんた、すっげぇ顔赤いよ」
「う、あ、カ、カイリくんこそ」
「あんたよりはマシだと思うけど」


腕を引かれ、私はカイリくんに抱き締められる。胸に耳が押し当てられ、カイリくんの胸の音が聞こえてきた。私と同じくらいに、早い。


「……カイリくん」
「何?」
「好きです……」
「知ってる」
「カイリくんは?」 
「あんたも知ってるだろ」


そう言うと、カイリくんが私の耳元に口を寄せてきて、


「好きだよ、姫」


なんて、素直な言葉で告げられて。
このままもう、この熱にとかされてしまいそうだった。


最初学パロで書いてたのに学パロ設定は迷子になりました


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