泡沫の夢

□青紫に吸い込まれる
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真っ直ぐな、青紫の瞳。綺麗に澄んでいて、強い意志を感じられる、優しい眼差し。
魅入られたようにひたすらに見つめていると、不意に視線が反らされた。


「……なんだよ。さっきからずっと人のこと見つめて」
「うん……アヴィの瞳って綺麗だなぁって思って」


綺麗な瞳のことを宝石のようだってよく言うけれど、アヴィの場合はどこか違う気がする。確かに宝石みたいに綺麗なんだけど、それだけじゃない。宝石なんかでは例えられないほど美しくて、力強くて、優しくて……そう、まさにアヴィそのもの。


「アヴィの瞳って、アヴィって感じだよね」
「なんだそれ」
「だってそれ以外言い様がないんだもん……」


こうやってじっと見つめているとなんだか吸い込まれそうだなぁ、なんて思ってると、アヴィの瞳が近づいてきて……って、


「あ、あの、アヴィ……?」
「なんだ?」
「なんか、近いような気がするんだけど……」
「そりゃ近づいてるからな」


吐息が当たるくらいにアヴィが近くにいて。このままだとキスしてしまいそう、だと思った時には、唇に柔らかい感触がして、


「っ!?」
「……お前の瞳も、綺麗だよな」


まるで、吸い込まれそうだ。


私が思っていたことと同じことを呟くと、アヴィはもう一度唇を重ねてきた。




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