ベーカーストリート
□第四話 恋人失踪事件
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麻友「そういえば、あの岩田華怜はどうしてるだろう?」
ある日、部屋で私と麻友、柏木さんとすごろくで遊んでいるとき、麻友がふと思いついたように呟いた。
指原「ん?あぁ、岩田さんの容態はその後無事良くなって、ちゃんと刑務所での勤めを終え、昨日出所したよ。で、今は岡田奈々と仲良く暮らしてるよ。」
柏木「そう、よかったわ。」
麻友「えぇ、そっか…岡田さんの容態もよくなったか…あっ、そういえばゆきりんさん、今月分の家賃、まだ渡してなかったわ。」
指原「あっ、そうだった!今、用意します。」
柏木「はいはい、そんなに慌てなくてもいいよ。」
麻友の言葉に私も気が付いて、折半で家賃の用意をして、柏木さんに渡した。そして、受け取った家賃を確認した柏木さんは、ちゃんと受け取ったという領収書を書いて渡した。
柏木「はい、確かに今月分受け取りました。でも、他の人は2〜3か月は滞納するのに、麻友ちゃんたちはしっかりしてるわ。麻友ちゃんは探偵、指原さんも病院でお医者さん…それに指原さん、来月、小児科医としてデビューするんですって?それに麻友ちゃんも、依頼人が増えて警察にも仕事ぶりを認められた。二人とも、おめでとう!」
麻友・指原「ありがとうございます。」
指原「あっ、この前の音楽番組見た?」
麻友「あのアイドルグループがハロウィンの衣装を着ているあれ?」
柏木「そうねぇ、私も見たけど結構派手な衣装だったわ。」
指原「そうなんですよ!けど、夏にハロウィン曲を出すって面白いけどちょっと違くない?」
麻友「ま、たまには季節外れも悪くないと言いたんじゃない?」
指原・柏木「だね…」
指原「…6マス進む!」
柏木「…2…あがり!」
麻友「ん?」
指原「どうした、まゆゆ?」
ふと麻友が窓のほうを見たので、私と柏木さんも窓の外を見た。入り口のほうで一人の女性が行ったり来たりしている。それを見た柏木さんはすぐに下へ戻った。
指原「なんだか挙動不審だなぁ。」
麻友「うん、あれは…恋人問題かな?しかも、あの娘は恋人をまだ愛している。」
指原「あぁ確かに、そうじゃなかったらためらわずに入ってくるだろうな。」
麻友「そう、しかも手に持っている紙は住所だろう…」
柏木「麻友ちゃ〜ん、依頼人よ!」
麻友「は〜い!」
入って来たのはあのまだらのバンド事件と同じく、オシャレだが背が低く、目が鋭い女性だ。
朱里「はじめまして、私は大学に通っています『高橋朱里』と申します。こちらが、探偵の渡辺麻友さんの事務所だとお聞きしまして。」
麻友「私が渡辺麻友です。こちらは私の相棒の指原です。彼女も私同様秘密を守りますので、気兼ねなくお話しください。」
朱里「ありがとうございます。実は…人を探してほしいのです!もう、貴女しか頼れる人がいないのです!!」
麻友「随分必死なんですね…察するに、貴女の恋人を探してるのでは?」
朱里「そうなんです…」
この時、高橋朱里は奇妙な出来事を話した。