甲斐
□信玄
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川中島の戦いの休戦
武田軍は寺を借りて休む事になった。
勘助:「晴信」
信玄の別名で呼ぶ勘助に黙ったまま振り返る。
勘助:「目が覚めたようだ」
信玄は勘助と共にとある部屋へと向かった。
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ユリ:「・・・・」
翠:「大丈夫?」
同じぐらいの歳の女性が側に座り声を掛けながら汗を拭いてくれる。
暗い部屋に蝋燭の灯りだけが彼女の表情を照らすその姿は同じ女の自分でも綺麗だと思わせる美しさだった。
ボーッと見惚れているとそれが分かったのかクスッと微笑み返してくれる。
翠:「翠って呼んで」
ユリ:「え?」
翠:「私の名前」
ユリは頷くと
ユリ:「私は駒欄 ユリ」
翠:「じゃあユリちゃんね。もう直ぐ信玄様と勘助様がいらっしゃるわ」
ユリ:「え?」
翠は桶を手に持って部屋を出て行くと入れ替わりにガタイの良い躰つきをした男と暗そうな男が入って来た。
ユリは1度身体を起こそうとする
信玄:「そのままで良い」
ユリ:「済みません。貴方方が信玄さんと勘助さんですか?」
信玄:「ああ、そうだ」
ユリ:「翠さんから聞きました。倒れていた私を助けて頂いたと。ありがとうございます。」
信玄:「気にするな。偶々通り掛かったついでだ。だがお前の着物珍しいな。南蛮人か?」
ユリ:「南蛮?いえ・・もし此処が戦国の時代とかなら私は南蛮人みたいな者かもしれません」
信玄:「そうか。ま、もし身寄りがねーんならオレがお前を引き取ってやるが、先ずは身体を回復させねーとな」