捧げもの

□お邪魔虫はフェアリー
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可愛くてカッコ良い年下の彼氏さんが私にはいる
それに加え、生意気で生意気で生意気なんだけど…そんな生意気で可愛くてカッコ良い彼氏さんが何故だか分からないけど、甘えたさんになっている。何コレ、すっごい可愛い




「何にやけてんの?」

『え?私にやけてる?』

「もの凄い」

『それは…恥ずかしいな』

「恥ずかしがってるあんたの顔すっげー可愛い」

『っ!』




そんなこと滅多に言わないくせに
何故今日はこんなにも積極的且つ…




「ねぇ、手繋いでも良い?」

『良いけど、何で?』

「何で…って、そんなの名無しさんと触れ合っていたいからに決まってんじゃん」




甘えたさんなんだ!?
私の手を少し痛いくらいにギュッと握っているところとか…可愛すぎて萌え禿げそう




「あ、いた!コシマエ〜」




後ろから凄い勢いでリョーマに抱きついてきた1人の男の子
あれ?この子、どこかで見たことある気が…




「なぁなぁコシマエ。ワイと勝負!」

「はぁ?こんなとこまで来て邪魔しないでくれる」

「邪魔って…ワイはコシマエと勝負を…ん?」




男の子は私の存在に気付いたのか、何やら首を傾げた
そして私はこの子を思い出した
遠山金太郎__確か、四天宝寺中1年の子だったような




「あ!思い出した。あんた青学のねぇーちゃんやろ?」




彼も私のことを思い出したらしく、年相応にはしゃいでいる




『そうだよ。こうやってちゃんと話すのは初めてだね。よろしく、遠山くん』

「よろしゅう!」

『そうだ。遠山くんは何でここにいるの?君、大阪でしょ?』

「コシマエと勝負したいなぁーって思ったら、いてもたってもいられへんくなって…」

『来た…と』




可愛い見た目に反して凄い行動力と言うべきか何なのか




「ねぇ、無視しないで欲しいんだけど」

『あ、ごめんねリョーマ』

「ねぇーちゃんとコシマエは何してたん?遊んでたんか?」

『あ、いや、えっと…』

「ワイも一緒に遊びたい!混ぜてぇーな」

『へ!?』




強引に決められてしまったと言うか
間違ってはいないけど、デートをしているんですよ、遠山くん
デートは流石に3人では出来ないかな?




「ふざけないでくれる?」

「ふざけてへんでぇ。ワイはいつでも真面目や」

「名無しさんからも何か言ってよ」

『えっと…』

「名前名無しさんって言うんか?じゃあ名無しさんねぇーちゃんやな!」

『あ、あはは…』




遠山くんってマイペース過ぎる
対処が難しいよ
それに大阪からわざわざリョーマに会いに来たみたいだし




『ねぇリョーマ、今日くらいは一緒に遠山くんと遊んであげようよ』

「名無しさんは…」

『ん?』

「名無しさんは俺と2人じゃ嫌なわけ?」

『はうっ!!』




睨んでいるように見えなくもないが、上目遣いで見られたらそれはもうノックアウトですよ
くそぅ、可愛いこと言いやがって




『嫌なわけ無いじゃん!』

「だったら…」

「コシマエばっかり名無しさんねぇーちゃんを独り占めせんといてぇーな」




遠山くんは躊躇いもなく私に抱きついて言った
恥ずかしい…以前にリョーマの視線が怖い
でも、こんなに純粋に好意を向けてくれる子に対して邪険に扱うなんて出来ないよ




「なぁなぁ、遊ぶなら早く遊ぼ!」

『(遊ぼ!…って何この子可愛い)』

「名無しさんは俺と2人で…」

「そんなご無体なこと言わんといてぇなコシマエぇ〜」

『(フェアリーが2人いる)』






――…






『で、結局こうなる訳ね』




只今たこ焼き屋にいます
何故かって?
そんな分かり切ったこと言わせないでよね
遠山くんが私達を引っ張って来たのですよ
「たこ焼きのにおいがするっ!」って、可愛いからって、許しちゃった私も私ですが




「今の内に…」

『へ?』




今度はリョーマに手を引かれた
引かれた場所は何てことはない、そこら辺にある公園だった




『リョーマ?』

「ごめん」

『へ?』

「あんたはアイツと一緒でも良かったかもしれないけど、俺は嫌だったから…その」

『…』

「独り占めしたかったって言うか」

『…』




何この子、本当に可愛いんだけど
襲って良いですか?あ、駄目?だめぇ…そっか…私彼女なんだけど…え?あ、はい、駄目?はい




「名無しさんも何か言ってよ」




くそぉぉぉ!!
心の葛藤も知らずに抱きつきやがってぇぇ!




『えっと、好きだよリョーマ』

「っ、」

『え!?リョーマ?』

「それは反則でしょ」

『反則って…』




それはこっちのセリフなのですが
あぁ、でもいいや
そんなことはもうどうでもいい
今は…




『好き』




チュッ、




「名無しさんっ!」

『へへっ、しちゃった』

「じゃあ俺も」

『え?ちょっ!』




この雰囲気に飲まれてしまおうか__




「コシマエ?何しとるん?」

『とっ、遠山くん!?』

「(怒)」

「ちゅー…しとったん?」




遠山くんってラブクラッシャーになれるよ。きっと…
何でこんなにも純粋なのでしょう?
こっちが恥ずかしくなってくる




「なんやー。せやったら言ってくれたら邪魔せんかったのにぃー」

『え?』

「は?」

「ワイお邪魔虫って奴やろ?ほな、さいなら!」




コシマエー!今度は勝負してなー!!
と、手を振りながら叫び、去っていった




『な、何だったの?一体…』

「さぁ」

『でも、やっと落ち着いたって感じかな』

「名無しさん」

『ん?』

「今から、デートのやり直ししようか」

『うん!』




ちょっとだけ嬉しい予想外のハプニングも起こったけど、今日はまだまだ始まったばかりだしね!
仕切り直しましょうか






END

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