捧げもの

□学習しない子
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今日はリョーマとデートで某ネズミのいる夢の国にやってきました
リョーマと2人になれるって事もそうだけど、デートってことが久し振りで凄く舞い上がっちゃってます!




「少しは落ち着いたら?」

『そんなの無理だよ』

「見苦しいんだけど」

『そんなこと言われても…あ!アリスのティーパーティーに乗りたい!』

「あ!ちょっと…」




私はリョーマの言葉を無視して1人走り出してしまった
だからなのだろうか…否、故にはぐれてしまった
自分の浮かれ具合に早くも嫌気がさしてしまった
これじゃあリョーマと来た意味が無くなってしまう
取り敢えず、こういう場合どのような行動にとるべきか…




『そうだ!迷子センターがあるはずっ!』




どこにでもそういう場所はあるはずだ
よし!そうと決まれば早速…!




「名無しさんっ!」

『あ…リョーマ!』

「勝手にどっか行かないでよ」

『良かったぁ〜見つかって』

「本当だよ」




呆れなのか、安堵したからなのか、よく分からないため息を吐かれてしまった




『うぅ、申し訳ない』

「そう思っているなら、勝手に行動しないでよ」

『分かった』

「じゃあ、」

『ん?』




恥ずかしそうに手を差し出された
こ、これはまさにっ…!




『手を繋ぐの!?』

「何嬉しそうに言ってんの」

『えへへ、だって嬉しいんだもん』

「あっそ」




私は躊躇わずに手を繋いだ
手からリョーマの温もりが感じられて…これだけで私は幸せだ




「で、何に乗りたいんだっけ?」

『あ!えーっとねぇ…何だっけ?』

「知らないけど」

『じゃあ近くのものから乗って行こう!』




私は学習をしないのだろう
手を繋いでいても、走って行こうとしてしまい
いきなりのことに反応が遅れてしまったのか体勢を崩してしまったリョーマ
お察し下さい
つまりはマヌケな格好を私の目の前で披露してしまったのです




『えっと、その、ごめん』

「別に」




それはどういう意味での「別に」なのだろう
怒っていないようなので、別に構わないと受け取っても良いよね
気を取り直して、今はアトラクションに集中して楽しもうではないか!




『空飛ぶダンボ!そうだ!空飛ぶダンボに乗ろう!』

「分かった」




今度は走らないようにゆっくりと目的地まで着いた
それからと言えば、私達はまるでバカップルのように…いや、カップルではあるんだけど、バカップルのようにね。あくまでもバカップルのようにはしゃいだ




『リョーマ!楽しいね』

「そうだね」

『素っ気ないなぁ…あ、』

「何?」

『喉が渇いた』

「あっそ」

『つめたぁ〜い!反応が冷たい!休憩しようよ!!』

「じゃあ、」

『そこまで競争!よーいスタート!!』




目的地を指さし、先にスタートする
狡いなんてことは無いはずさ
リョーマと私の運動量を比べると天と地に等しいのだから
それにしても、やはりと言うべきか…私は学習しないのだろう
何を隠そう、私は運動音痴で有名なのだ
自分でもそこそこ自覚はあるものの、授業以外で運動することがないからかすぐに忘れてしまう




『あ…』



気付いたときには既に遅し
私はマヌケにも自分の足に足を引っかけてしまい転けようとしているのである




「名無しさんっ!」




リョーマが急いで駆けつけてきてくれる
その姿が何だからしくなくて、こんな状況なのに笑えてしまった
そんな私への罰だろうか?
私はあっけなく地面と濃厚なチッスをすることになった




『自分の運動能力の無さが恨めしい』

「酷い顔してるよ」

『あらヤダ、おほほほほほ』

「ごめん、助けられなくて」




顔を優しく撫でられる
そんなリョーマに私の心がBREAK!
打ち砕かれてしまった




『そんなの、気にしなくて良いのに』

「…」

『それよりほら!ジュース飲もう?』

「…そうだね」




その後も私達はまるでバカップルのようにこの日を楽しんだのであった






END

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