捧げもの

□可愛い彼は幼馴染み
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『カルピンは今日も可愛いねぇ〜』

「ねぇ」

『なに?』

「撫でるものが違う気がするんだけど」

『あぁ、うん。わざと☆』




リョーマの頭を撫でていた手がはじかれる。本当はカルピンが可愛くて、いつものように撫でようと思ってたんだけど、カルピンを抱いていたリョーマが数倍可愛く見えちゃって…つい


こんなことリョーマに知られたら怒られちゃうかな?




「はぁ…つい、じゃ済まされないんだけど」

『へ?』

「別に俺、可愛くないし」

『あれ、もしかして…』

「全部言ってたよ」

『NOOOOOOOO!!怒らないでっ!怒らないで下さいっ!!』

「別に…今更怒らないし」




ほっと胸をなで下ろす。
まぁ、私たちも長い付き合いですし、こんなことするのはしょっちゅうだから許してくれたのかな?
いやぁーリョーマも心が広くなったなぁ




「許したわけじゃないけどね」

『おぅふ、また声に出てたか』

「名無しさんは変わらないね」

『え、いきなり変わったら恐くない?』




例えば
カルピンが猫から犬になったり、カルピンが私にいきなり靡かなくなったり
そんな変化があったら恐いよねー
ねぇーカルピン。とカルピンを抱き上げ言うと、ホァラとまるで返事をしてくれているように鳴いてくれる
本当に可愛いなぁ




「そう言うわけで言ったわけじゃないんだけど」

『…。じゃあ、どういう訳?』

「…別に」




リョーマにしては珍しく歯切れが悪い
うーむ。こういう時はあまり深く掘り下げない方がいいよね
うん。面倒くさいから忘れることにしよ


そうして私はリョーマのベッドまで行き寝ころぶ
カルピンと一緒にダイブだ!うん。もふもふ♪
リョーマはいつの間にか持ってきていたジュースを飲んでいる
おいこら私にも寄こせ




「そこに置いてる」

『あら本当だ』




私はいきおいよくジュースを飲む
喉が潤うわぁ〜
それにしても、心の声がまた聞こえていたようだ。無意識に声を出しているとかだったら
私にプライバシーなんてあったもんじゃないな
うーん。どうしたものか




『ねぇーカルピン』

「は…?」




いきなり何を言い出してんだみたいな顔をするリョーマ
今度は心の声が出ていなかったようだ
確かにこれだけ聞くと意味不明だよねー




「ホァラー」

『うん。分かってくれるかい、カルピン』

「カルピンをおもちゃにしないでくんない?」

『してないよー。会話をしているだけ』

「ホァラ」

『ほらー、カルピンも言ってる』

「ホァラ?」

「そんな訳ないじゃん」

『むー』




少したりともノってくれない…。
連れないなぁ
カルピンはノってくれたのに


せっかく遊びに来たのに…何か面白いことないかなー。何か面白いことしてくれないかなー
とまぁ考えていたら顔が綻んでいたらしく、訝しげな顔をしているリョーマに見られる




『ふふ、ねぇ、何か面白い話してよ』

「面白い話?」

『うん』

「ないんだけど」

『何でもいいから』




無理矢理話させようとしたら、テニスについて語り始めた


え?何これ呪文?意味が分からない


でも、話し始めたリョーマの目がキラキラしてて、すごく楽しそう。心なしか、カルピンもリョーマの話しに聞き入っているのか、じっと見つめて黙っている


え?何これ可愛い


こんなに語るリョーマ初めて見た。
途中、名無しさんはどう思う?なんて聞いてきたり…


あれ?何これ楽しいかも






――…






○月×日
今日は幼馴染みの新しい一面が見れて楽しかったです。


あれ、作文…?いや、日記…?






END

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